2010-01-01から1年間の記事一覧

ハイティンク/マーラー 『交響曲第3番』

Gustav Mahler: Complete Editionより。 ベルナルド・ハイティンク指揮、アムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団演奏。1966年録音(グラモフォンのマーラー全集の中では一番古い録音である)。 1896年に完成した交響曲で、全曲初演は1902年。6つの楽章か…

メータ/マーラー 『交響曲第2番 《復活》』

Gustav Mahler: Complete Editionより。 ズービン・メータ指揮、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団演奏。1975年録音。 1895年に初演された交響曲で、ソプラノ2名、混声合唱、パイプ・オルガンを含む大編成のオーケストラによって演奏される。舞台の袖に数…

クーベリック/マーラー 『交響曲第1番 《巨人》』

Gustav Mahler: Complete Editionより。 ラファエル・クーベリック指揮、バイエルン放送交響楽団演奏。1967年録音。 グスタフ・マーラー(1860-1911)の記念すべき 『交響曲第1番』 は1888年に完成し、その後、何度か改訂が重ねられ、現在の形になったのは18…

ドイツ・グラモフォン/マーラー全集

Gustav Mahler: Complete Editionアーティスト: Gustav Mahler,アバド,カラヤン,バーンスタイン,ショルティ,シノーポリ,ブレイズ,クーベリック,シャイー,ハイティンク出版社/メーカー: Deutsche Grammophon発売日: 2010/06/21メディア: CD クリック: 10回こ…

谷崎潤一郎 『肉塊』

主人公小野田吉之助は、亡父の遺した商売と財産を全て売り払い、活動写真を撮るために自前のスタディオ、現像室、映写室を建てる。撮影技師はアメリカ帰りの柴山。主演は混血の美少女グランドレンである。吉之助はグランドレンのために、人魚姫を題材にした…

水木しげる原作 ドラマ・アニメ化作品主題歌まとめ

悪魔くん 1966年10月〜1967年3月に放映されたモノクロ実写版テレビドラマ。主演の金子光伸(子役)はこの番組のあと、『ジャイアントロボ』 にも主演している。 とても子供向け番組とは思えないドロドロしたオープニングである。僕は当時小学校入学前だった…

困ったはてなココ

はてなココ サービス終了のお知らせ はてなココは全く使ったことがないのだけど(はてなハイク2はちょっとだけやってやめた)、毎日同じ人から招待メールが届いていて、もう3〜4回目になる。 もちろん、相手は全然知らない人で、たぶん中学生ではないかと思…

履歴書など応募書類に関するTips

中途採用の書類選考中なう。印鑑を斜めに押してる人、写真を貼ってない人、貼ってあっても、まっすぐに切れてない人。。。この人たちは、本当に採用して欲しいと思ってるんだろうか?? https://twitter.com/matsuotakuma/status/16515731963 上の tweet が…

府中市美術館・ノーマン・ロックウェル企画展

http://www.city.fuchu.tokyo.jp/art/kikakuten/kikakuitiran/Rockwell/index.html アメリカの画家・イラストレーター、ノーマン・ロックウェル(1894-1978)の企画展に行ってきた。 大きな原画で見るロックウェルのイラストは、非常に細かく描きこまれてい…

潤一郎ラビリンス (15)

潤一郎ラビリンス〈15〉横浜ストーリー (中公文庫)作者: 谷崎潤一郎,千葉俊二出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 1999/07/18メディア: 文庫この商品を含むブログ (4件) を見る 長編 『肉塊』、随筆 『港の人々』 収録。

Philip Marlowe

「なんて名前?」 「マーロウ」 「e がつくの、つかないの?」 「つくよ」 「そうなの? 悲しそうな、きれいな名前だわ」 レイモンド・チャンドラー 『長いお別れ』 24 「……アンという名を呼ぶんでしたら、e のついたつづりのアンで呼んでください」 「字な…

山口百恵とバッハ

山口百恵のヒット曲には、J・S・バッハの作品のフレーズがあちこちに引用されているようだ。 以下の映像は「プレイバック Part1」(作曲:馬飼野康二)。 「Part2」のほうが有名すぎて、「Part1」なんてあったの? という感じの歌だが、これはこれで名曲だと…

チャンドラー 『長いお別れ』

長いお別れ (ハヤカワ・ミステリ文庫 (HM 7-1))作者: レイモンド・チャンドラー,清水俊二出版社/メーカー: 早川書房発売日: 1976/04/01メディア: 文庫購入: 11人 クリック: 89回この商品を含むブログ (231件) を見る 二十何年ぶりに再読。 レイモンド・チャ…

ル=グウィン 『ドラゴンフライ』

『ドラゴンフライ』 は1997年に発表された130ページほどの短編小説。アンソロジー 『伝説は永遠に』(ハヤカワ文庫 asin:4150202826)に収録されたことがある。旧邦題は 『トンボ』。 時代は4の数年後。ハブナーの東にあるウェイ島に生まれ育った少女ドラゴ…

ル=グウィン 『湿原で』

2001年発表の書き下ろし短編。2と3の中間くらいの時代の話で、ハブナーの北西にあるセメルという島を舞台にしている。 長い旅を終えた主人公イリオスは、湿原の中の村にたどり着く。その村では牛の伝染病が流行っていて、彼はその治療師として活躍する。だ…

ル=グウィン 『地の骨』

2001年発表の書き下ろし短編。ゴント島が舞台になっていて、ゲドの師匠オジオンの若い頃の話。 若きオジオンとその師匠ダルスが力を合わせて地震を静めるというストーリーなのだが、地震の場面の描写が中途半端でよくわからない。また、地震の後の復旧作業が…

ル=グウィン 『ダークローズとダイヤモンド』

『ダークローズとダイヤモンド』 は1999年に発表された短編小説。魔女の娘ダークローズと商人の息子ダイヤモンドのラヴ・ストーリー。 恋愛小説に双方の親が深く関わってくるというのは、近年のアメリカの小説には珍しいかもしれない。 親子の葛藤みたいな部…

ル=グウィン 『カワウソ』

『カワウソ』 は 『ゲド戦記』5(2001年) に収録された書き下ろし中編小説。本文180ページ以上あって、5の中では最も長い。 原題は "The Finder"。《物さがしの術使い》 という意味。 《カワウソ》 は主人公メドラのニックネームなのだけど、この邦題はあ…

1908年ロンドンオリンピックの話

オリンピック「勝つことより参加することに意義がある」の起源と謎について - 愛・蔵太の気になるメモ(homines id quod volunt credunt) コメントを書こうと思ったら、なぞなぞ認証の答がわからなかったのでこちらに。Tug of war at the 1908 Summer Olympic…

ル=グウィン 『ゲド戦記5 ドラゴンフライ アースシーの五つの物語』

ドラゴンフライ アースシーの五つの物語―ゲド戦記〈5〉 (岩波少年文庫)作者: アーシュラ・K.ル=グウィン,ディビッド・ワイヤット,Ursula K. Le Guin,清水真砂子出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2009/03/17メディア: 単行本 クリック: 5回この商品を含むブ…

ワン・モア・ターイム! カウント・ベイシー

YouTube で楽しいアニメーションを見つけたのでご紹介。 "Birdland The History of Jazz April in Paris Count Basie" という長い題名だが、Birdland は昔ニューヨークにあったジャズ・クラブの名称とアニメに登場する鳥をかけたもの。"April in Paris" は使…

ライオネル・ハンプトンとチャールズ・ミンガス

ヴィブラフォン奏者、ライオネル・ハンプトン(1908-2002)は1930年代から活躍したジャズ・ミュージシャンで、主にビッグバンドのリーダーとして人気を博した。晩年には何度も来日し、ジャズ・フェスの常連として、あるいはテレビに出演したりして、日本でも…

幸田露伴 『蘆声』

「金持ちの人間が貧しい者に出会って施しをする」 という文学上のテーマのようなものが昔からある。例えば以下の二つ。 仙吉は其処で三人前の鮨を平げた。餓え切った痩せ犬が不時の食にありついたかのように彼はがつがつと忽(たちま)ちの間に平げて了った…

荒井由実/「中央フリーウェイ」

http://www.hayamiz.jp/2010/05/car.html この歌の肝は、中央自動車道を「中央フリーウェイ」と言い換えたところ。実在の風景を、言葉と描写と音楽のアレンジによってまるで日本ではないかのように見せてしまっている。 「中央フリーウェイ」(作詞・作曲:…

「チュニジアの夜」聴きくらべ

モダン・ジャズの名曲 「チュニジアの夜」(D・ガレスピー&F・パパレリ作曲)の名演奏をトランペット奏者別に聴きくらべてみる。 ディジー・ガレスピー Dizzy Gillespie & His Orchestra 名義で発表された、作曲者自身による演奏。ミステリアスなイントロ、…

『天才バカボン』の思い出

赤塚不二夫の 『天才バカボン』 は雑誌連載時にリアルタイムで読んでいたのだけれど、記憶に残っているだけでもいくつか強烈なエピソードがある。 サンデー連載事件 ペンネーム変更事件 ゴーストライター事件 など。 Wikipedia などを参考にしながら、当時を…

ヘミングウェイ 『日はまた昇る』

『日はまた昇る』("The Sun Also Rises") は1926年に発表された、アーネスト・ヘミングウェイ(1899-1961)の最初の長編小説。 簡潔な文体は初期の頃からヘミングウェイの特徴だったようだが、本作はかなりくどい部分が多く、ストーリー的には退屈な小説で…

金星食

明星と月の寄り添う五月富士 夏物を取りに行く人多き午後 初鰹息子と沙翁を語る夜 大鍋のカレー温め夏は来ぬ

「の」を4つ以上連続して使うと文学になるらしい

「の」を3つ以上連続して使わない | 日経 xTECH(クロステック) はてなブックマーク - 「の」を3つ以上連続して使わない | 日経 xTECH(クロステック) コメント欄に有名な和歌が並んでいて、奇妙な展開になっているのが面白いんだけど、こういうのもある。…

アテネに現れる「反逆の犬」。その名はしなもん!?

あの犬は何者?…ギリシャで暴動が起こるたびに登場する「反逆の犬」が話題に:らばQ ギリシア。政情不安の首都アテネで、連日起る暴動やデモ行進。――いつもそこにはヤツがいる。 民衆はヤツのことをカネロスと呼んだ。 Kanellos (Greek: Κανέλλος) (meaning "…