2013-01-01から1ヶ月間の記事一覧

寒卵

寒卵にチョコレート混ぜたの誰 もそもそと動いてをるや寒卵 ジュラ紀より発掘されし寒卵

冬ぬくし

おつぱいの山に囲まれ冬ぬくし 冬ぬくし乳房の下に猫抱いて

冬安居(ふゆあんご)

冬安居粥に御汁(おつけ)に香の物

裸木

裸木や意外と着痩せするタイプ 裸木の黒き枝には黒き鳥 名を知らぬ人の会釈や枯木立 裸木の鳴る音あたまを貫けり 裸木の影は女の脚である

春近し

春近し寺の魚も生臭き

寒椿

夭夭(やうやう)と咲き揃ひけり寒椿

トーベ・ヤンソン読書会

そして日曜日は『杉江松恋の、読んでから来い!』第3回。課題本はトーベ・ヤンソン短篇集『黒と白』です。いつもより早めの17時スタート。レジュメ当日持込の方は20部ほどコピーの上16時半くらいにはご来店ください。見学のみの参加も大歓迎です!#荻窪読書…

寒泳

寒泳を終へたる尻の白さかな 寒泳や一人二人は帰らない

福寿草

福寿草喰ふべからずと謂はれけり

天狼

どの星が天狼やらと紛糾す*1 *1:天狼は冬の季語。おおいぬ座のアルファ星シリウスの意。

冬障子ほか

通り過ぎし影に角(つの)あり冬障子 碧眼の来客冬障子にメアリ 冬障子開ければゴリラ五人衆 降る雪や越後の酒を飲むこころ 馴初めは出会ひ系とぞ冬菫

雪礫(ゆきつぶて)

雪礫十年振りに本気出す 隠し球ボーク取られて雪礫 雪礫急襲されて猛反撃 雪礫今のノーカンノーカンだよ 雪礫見知らぬ人に当たりけり

冬凪

冬凪や時々軋む骨の音

冬の月

冬の日の真昼の月の白さかな 冬の月のますます白くなりにけり 凍て月の鏡の中の少女かな

大寒

大寒の人の少なき県道沿ひ 大寒のドアに残れる指紋かな 大寒や街道沿ひに立ち尽くす 大寒や便秘の猫の食べ残し

寒喰(かんぐひ)

寒喰や汁は残しちやいけません 寒喰やいかなるときもマヨネーズ

霜焼

霜焼の小指ちぎれてゾンビかな 霜焼をゾンビとなりて掻き毟る 霜焼や猫は許すが犬は不可

おしぼり

おしぼりで耳温める冬のカフェ

阪神大震災十八年

仮設には釘煮の香り阪神忌 震災や寿司職人でありし人 この日には我が睫毛にも冬の虹 冬の日や友の訃報迄一年

足下を見てばかりをり雪の夜 凍結の地や握る手に力込む 雪溶けていよいよ寒き都会かな

降る雪

降る雪や小諸に深き松の園 地下鉄の屋根にも雪の数センチ

女正月

をとこみな家畜となりて女正月

初電話

初電話皆で受話器を回しをり 初電話遠き甥子の声変り 初電話遠き甥子の声低く 少年に戻つて話す初電話 初電話郷(くに)の訛りに戻りけり

若水

若水を汲む古宿や木曾馬籠

第27回いるか句会

堀本裕樹公式ブログ |◆第27回いるか句会告知 1月13日(日)、第27回いるか句会に参加。以下の5句を投句しました。 姪つ子の無口になりて初電話 小正月地元に残る五六人 仮設には釘煮の香り震災忌 父親の勇姿を見たり出初式 自称白鳥は意外と多いのよ 「小…

白鳥

芦ノ湖のスワンボートで遭難す 前世白鳥は意外と多いのよ 白鳥や履歴書に無き捺印欄 白鳥を見に行きますと書置きが 白鳥のゐる庭先でお弁当

初句会

へべれけの袋回しや初句会

コンビニ

旧作より「コンビニ」俳句を集めてみた。 コンビニに煙草求むる寒さかな コンビニへ行く道遠し梅雨の入 コンビニの端末難し桜桃忌 秋雨やコンビニ前の傘光る 虫すだく道を通つてコンビニへ 秋遍路コンビニ前に集合す コンビニの袋の音や秋時雨

ハメット忌

北風に煙草吹かしてハメット忌*1 ハメット忌コートの襟を立てにけり *1:1月10日はダシール・ハメット(1894-1961)の命日。

冬深し

冬深し猫にも敬語使ひをり