2012-11-01から1ヶ月間の記事一覧
エンジンの音の高さや捕鯨船 右舷前方二十度に鯨かな
毛皮着てマンモス肉を喰らひけり マンモスの肉汁跳ねる毛皮かな
片隅に切干ありき手弁当 天と地を隔てて立つや冬の富士
浜千鳥歩みに合わせ指パッチン
寒月やモノラルで聴くパルティータ
万軍の主は共にあり神無月 この国に神無月あり飯美味し
冬木の芽天に向ひて拳上ぐ 冬木の芽頭巾の子等の走り行く しなやかに空目指したる冬芽かな
芭蕉忌や何時の間にやら年下に
不忍池を染めたる紅葉かな 水鳥の場所を波紋で探しけり 小春日に拍手喝采大道芸 横丁に揺るることなし枯れすすき 冬の暮谷中銀座の雀かな 千駄木の商店街も冬の月
冬の暮猫の産まれた話など リハビリに通う親子や冬の暮
溝川に流るる今朝の紅葉かな 紅葉を浴びし帝国ホテルかな
硝子戸に雨音当たる一葉忌
凩やあの人確か死んだはず 凩や蕾のままのハイビスカス 凩や猫の集まる駐車場
小雪や気圧配置の変りつつ 小雪やそろそろ角が生えてくる 小雪の夜や幼子泣き止まず 小雪や紙で作つた落し蓋 小雪や猫は黙つて愚痴を聞く 小雪の宵や純米浦霞
目を合はせ逃れられずに焼芋屋 焼芋屋昭和の節で唄ひけり ご親族の方からどうぞ焼芋屋 焼芋や限定何個と言われると 焼芋や今更嫌ひとは云へず 王妃曰くパンが無ければ焼芋を
夜咄や敢て云ふならゾンビ枠 夜咄やたいてい人が死んだ話 夜咄やチャットで覚えたタイピング 夜咄やひとり喋っている男 夜咄に猫が混ざつて聞いてをり 夜咄やそろそろ縄を解いてよ 夜咄や少し溶けたるシガーチョコ 夜咄も猫の欠伸で終わりけり 夜咄の終る頃…
海賊も陸に上がれば蕎麦湯かな 海賊の稼業も十五年の秋
堀本裕樹公式ブログ |◆第25回いるか句会告知 11月18日(日)、第25回いるか句会に参加。以下の6句を投句しました。 初紅葉僧の集ひて五六人 境内に踏切ありて薄紅葉 母猫の腹の白さや秋深し 手配書の男黄ばんで秋深し 木枯しや道行く人の貌のなき 白猫と道…
明らかにヒトのではない木の葉髪 木の葉なら生え変わるのに木の葉髪 坊さんの苦吟してをり木の葉髪 水鳥の陸(おか)に上りて重さうな ライヴ・アット・バードランドや暮早し 焼売の湯気吸い込んで冬に入る
初号機のシンクロ率や冬薔薇(さうび)
太陽の季節は疾うに過ぎて冬
犬連れし人と行き交ひ暮早し 暮早し少し揺れたる赤提灯
幾何学の宇宙を編みし毛糸かな 毛糸編む妻の眼鏡も変りけり 毛糸玉ほぐしたヤツは塀の上 毛糸編みながら犯人推理する プリキュアの笑顔の柄に毛糸編む
多摩川の中州に立つや冬柳 着ぐるみの隠るるところ柳枯る 小春日やキュアハッピーの脚高く 太枝の斬り落とされて枯柳 ひつそりと内に秘めごと枯柳 冬やなぎ内に秘めたるいのちかな
なぜ広まった? 「『訊く』が正しい」という迷信 - アスペ日記 を読んで。 「お前はまた何故結婚なぞしたのだ?」と、スクルージは訊いた。 ディッケンス Dickens 森田草平訳 クリスマス・カロル A CHRISTMAS CAROL(昭和4年) 上に引用した『クリスマス・カ…
焼鳥の二本でねばる宵の口 焼鳥や聞いてゐるふり酔つたふり 焼鳥の匂ひ消えずに茶漬喰ふ
地下鉄の湿度高くて帰り花 年齢は聞いちゃいけない帰り花 眩しくて帰り花など見えませぬ 帰り花ハードディスクの奥の奥
駅伝の選手倒るる毛布かな 毛布のみ掛かる現場のほとけかな 冬枯のすぐそこにある事件かな
縄跳びで君のハートをキャッチせよ 縄跳びの子等に固有の振動数 ゴム跳びの横転の子のブルマかな
山小屋の灯り見つめる兎かな 炬燵猫何がなんでも夜もすがら 足跡に熊の大きさ想像す 遺伝子の組換えでない狸かな