Bill Evans / New Conversations

 ピアノとエレクトリック・ピアノによる一人多重録音作品第3弾。
 全8曲入り。うち半分がエヴァンス作曲のオリジナル新曲である。多重録音の過去作品に比べて、ジャズよりもポップ・ソング寄りの選曲になっているようだ。本作の良い点は抜群のリズム感である。リズムマシンのたぐいを用いない多重録音なのに、イン・テンポの曲ではよくスウィングしている。
 一方、本作の悪い点はエレピの用い方である。アコースティック・ピアノのコードの上に、エレピのコードを重ねたりしているため、全体に音がギラギラしすぎているところがあって、今聴くと妙に古臭く感じるのだ。