2010-01-01から1年間の記事一覧

「きよしこの夜」いっしょに歌ってみませんか

12月25日午前0時。いっしょに歌ってみませんか。 きよしこの夜 星はひかり すくいのみ子は み母の胸に ねむりたもう 夢やすくきよしこの夜 み告げ受けし まきびとたちは み子のみまえに ぬかずきぬ かしこみて 作詞:J・モール 作曲:F・グルーバーall instr…

冬至

雨上がり冬至の朝の美しさ

雨月

http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1152397436 12月21日夕刻より日本各地で皆既月食が観測された。しかし、関東地方は残念ながら曇りのち雨。僕は全く見ることができなかった。 さて、みなさんは雨月という言葉をご存じだろうか? …

寒月

寒月や少し窓開け風呂入る 諸人の背中を照らせ冬の月 友集うFacebookの師走かな 湯豆腐や曇り眼鏡でいいね!する ひそやかに今年も咲けり枇杷の花 黙々とずわい蟹喰う二人かな

キース・ジャレット/バッハ 『平均律クラヴィーア曲集』

ジャズ・ピアニストとして有名なキース・ジャレット(1945-)は、1980〜90年代にかけて本格的なクラシック音楽のアルバムを何枚か発表している。特に、J・S・バッハ(1685-1750)の作品には力を入れていたようだが、同じ頃にバッハをジャズ風にアレンジして…

島崎藤村 『藤村詩集』

島崎藤村は明治30〜34年に4冊の詩集を発表した。彼にとって20代後半という時期のことである。 藤村の詩は当時流行していた新体詩と呼ばれる文語定型詩である。新体詩といっても、北村透谷の作品などは字余りが多いのだが、藤村作品は律義に七五調を守り、各…

芥川龍之介 『上海游記・江南游記』

大正7年の谷崎潤一郎に続いて、大正10(1921)年3〜7月、芥川龍之介は大阪毎日新聞の特派員として、中国各地を旅行した。『上海游記・江南游記』 は芥川が帰国後に執筆、新聞に連載した紀行文を中心にまとめた本である。 上海の日本人倶楽部に、招待を受けた…

バッハ 『無伴奏チェロ組曲』 聴きくらべ

ヨハン・セバスチャン・バッハの 『無伴奏チェロ組曲第1番ト長調 BWV1007』 から、有名な第1曲 プレリュードの演奏を、YouTube で聴きくらべてみることにする。 パブロ・カザルス(1876-1973) 1890年、若きカザルスは楽器店で当時全く無名だった 『無伴奏チ…

デヴィッド・ボウイ/China Girl

デヴィッド・ボウイが1983年に発表した "China Girl" もまた 《支那趣味》 である。 PV に登場する女性はなんとなく江角マキコみたいな感じだが、欧米人が感じる 「典型的な中国人」 の顔立ちなのだろうか? レッツ・ダンス(紙ジャケット仕様)アーティスト: …

谷崎潤一郎 『西湖の月』

谷崎潤一郎は、1918(大正7)年と1926(大正15)年に中国を訪れた。特に第1回の中国旅行の後、「支那趣味」 と呼ばれる異国情緒あふれる作品を多数発表している。異国情緒といれば聞こえは良いが、要するに植民地主義的な臭いがぷんぷんする作品群である。 …

吉祥寺ねこ祭りに行ってきた

http://musashinocat.cocolog-nifty.com/blog/2010/09/post-ed5f.html 「吉祥寺ねこ祭り」 なるイベントが開催中と聞いて、久しぶりに吉祥寺で出かけた。 ギャラリー、猫グッズのショップ、カフェなどが同時に、チャリティ(地域猫の活動のための募金)を兼…

パブリックドメイン・アーカイブの音源を聴いてみた

著作権切れのレコード、CD音源を MP3 形式で無料でダウンロードできるサイト、 を利用して、好きな音楽をいくつかダウンロードしてみた。 ダウンロードしたファイルのアイコンを iTunes のプレイリストのウィンドウにドラッグすれば、曲目や演奏者のデータも…

坂口安吾 『桜の森の満開の下・白痴 他十二篇』

岩波文庫の短篇集感想。 坂口安吾は 『不連続殺人事件』 と 『風博士』 くらいしか読んだことがなく、まとめて読むのは初めてである。 本書には、坂口安吾の短編小説の中から、自伝的作品を除く純文学および幻想文学の代表作が集められている。 七北数人 『…

坂口安吾 『風博士』

諸氏よ、誰人かよく蛸を懲(こら)す勇士なきや。蛸博士を葬れ! 彼を平なる地上より抹殺せよ! 坂口安吾 『風博士』 世の中に面白い小説は数多いけれど、面白すぎて何度も読み返してしまう作品というのはそんなに多くはないだろう。『風博士』(昭和6年発表…

サン=テグジュペリ 『星の王子さま』(河野万里子訳)

サン=テグジュペリ 『星の王子さま』(内藤濯訳) - 蟹亭奇譚 サン=テグジュペリ 『星の王子さま』(池澤夏樹訳) - 蟹亭奇譚 に続いて、3冊目。星の王子さま (新潮文庫)作者: サン=テグジュペリ,Antoine de Saint‐Exup´ery,河野万里子出版社/メーカー: 新…

『邪宗門』と新聞連載小説

『邪宗門』について 「邪宗門」の事実 - 猫を償うに猫をもってせよ 従って、純文学は元から、半年というような長編の予定ではなかったのであり、「邪宗門」も、長編が予定されていたのではなく、30回くらいで頼んだのが、終わらずに中絶した、と考えるべきで…

サン=テグジュペリ 『星の王子さま』(池澤夏樹訳)

星の王子さま (集英社文庫)作者: Antoine de Saint Exup´ery,アントワーヌ・ドサン=テグジュペリ,池澤夏樹出版社/メーカー: 集英社発売日: 2005/08/26メディア: 文庫購入: 4人 クリック: 43回この商品を含むブログ (190件) を見る 2冊目の 『星の王子さま』 …

サン=テグジュペリ 『星の王子さま』(内藤濯訳)

十数種類の翻訳が出版されているという 『星の王子さま』 を3種類続けて読んだので、簡単に比較してみることにする。なお、僕はフランス語を解さないので、どの訳が正しいかは問わないことにする。星の王子さま―オリジナル版作者: サン=テグジュペリ,Antoine…

ゲゲゲの王子さま

こんなところに共通点があったとは!

『人間の土地』 に登場する飛行機

『夜間飛行』に登場する飛行機 - 蟹亭奇譚の続き。 一九三五年 (中略) パリ=サイゴン間の飛行記録を更新するためル・ブールジェ飛行場を出発するものの、リビア砂漠に不時着する。ベドウィンの遊牧民に救われて奇蹟的に生還。 『人間の土地』(新潮文庫) …

サン=テグジュペリ 『人間の土地』

1920年代のモーリタニア(当時はフランス領西アフリカだった)。首都ヌアクショット付近の屯所に、サン=テグジュペリらが不時着したときの話。 小説 『南方郵便機』 に書かれている老軍曹のエピソードについて、「あの夜のこともまた実話だ」 と作者は述べ…

空高し

秋雨や布団の中に猫二匹 欧州のジャズ聴く今宵雨の月 秋雨や続けて響けピチカート 空高し猫の瞳に映る雲 曼珠沙華ゲゲゲ最終回の朝 ゲゲゲの女房作者: 武良布枝出版社/メーカー: 実業之日本社発売日: 2008/03/07メディア: 単行本購入: 14人 クリック: 441回…

「大切なことは目に見えない」

イエスが十字架にかけられ、その後復活したときの話。 十二人の一人でディディモと呼ばれるトマスは、イエスが来られたとき、彼らと一緒にいなかった。 そこで、ほかの弟子たちが、「わたしたちは主を見た」と言うと、トマスは言った。「あの方の手に釘の跡…

芥川龍之介 『邪宗門』

『邪宗門』 が収録されている新潮文庫版 『羅生門・鼻』 の巻末注には、『今昔物語』 や 『宇治拾遺物語』 などの元ネタが記されているが、反面、聖書からの引用・転用が全く書かれていないので、少しだけ元ネタ探しをやってみることにしたい。 まずは十文字…

フローベール 『紋切型辞典』

なにげにフローベール再読中。『三つの物語』と『紋切型辞典』 - がらくた銀河 フランス文学なんてちっとも読んだことがないのだけど、florentine さんのおすすめ、『紋切型辞典』 を書店で見かけたので最初のページを開いてみた。 アイスクリーム [glace] …

『夜間飛行』に登場する飛行機

夜間飛行 (新潮文庫)作者: サン=テグジュペリ,堀口大學出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1956/02/22メディア: 文庫購入: 8人 クリック: 75回この商品を含むブログ (209件) を見る 1993年改版以降、『夜間飛行』(新潮文庫)のカバーには宮崎駿のイラストが用…

芥川龍之介 『羅生門』

『羅生門』 とはどのような小説か? と聞かれたら、あなたはどう答えるだろうか。 失業した下人が、死人の髪の毛を抜いている老婆に出会い、自らもまた老婆の着物を盗む話。 ――と答える人がほとんどではないだろうか。なるほど、ストーリーはそのとおりだ。…

サン=テグジュペリ 『南方郵便機』

1920年代のアフリカ北西部、カサブランカとダカールの中間あたり。郵便飛行機の操縦士ジャック・ベルニスは、機体のトラブルによりサハラのフランス軍小屯所に不時着する。彼を迎えるのは一人の老軍曹。ここには半年に一度しか郵便が届かないのだと軍曹は語…

サン=テグジュペリ 『夜間飛行』

妻は夫を眺めた。自分の手で、夫の武装を隙なく仕上げる。万全に整った。 「すごくきれい」 そして彼女は気づいた。夫の髪がていねいに整えられている。 「それ、星に見てもらうため?」 「老けた気分にならないため」 「嫉妬するなあ……」 サン=テグジュペ…

島崎藤村 『飯倉だより』

『飯倉だより』 は大正10(1921)年に刊行された 《感想集》。 藤村は大正7年から昭和11年まで、麻布飯倉片町の借家に住んでいたため、こういう題名をつけたのだろう。年齢(数え年)でいうと47歳から65歳までの18年間であり、一箇所に住んだ年数としては最…