2011-12-01から1ヶ月間の記事一覧
数へ日や家路を急ぐ人多し 日記買ふ習慣もなくなりにけり 閑かなる県道沿いや年の暮 三日月の沈みて暗し寝酒かな お湯割りのグラスの向かふに山眠る
「食」をテーマにしたエッセイ集、『おとなの味』(2008年刊)を読んだ。 箸で崩しかけると、もはや梅干しはあられもない風情である。ちょっと待って、そんな一気に脱いでいいの。出し惜しみというものがあるのじゃないの。こちらがおろおろするほど、気前よ…
紅玉の香り良きかな待降節(アドベント)
客待ちのタクシー並ぶ冬至の日 いそいそと帰り支度の冬至かな
日は落ちて北風寒し桜田門 街灯に枯葉の踊るアンドゥトロワ くるくるとポインセチアは万華鏡
この道を行けども行けども寒椿 糸杉の落葉を踏みて音もせず トナカイが運ぶ PSVita かな
風強き日比谷通りに落葉散る 木の葉舞う夜の寒さやビルの下 年の瀬やテールランプの並び行く 風強し乗換駅の寒さかな 着膨れし電車の中でPSP モツ鍋の湯気の向こうの笑顔かな
冬空に高く響けや合唱団 秘め事もお見通しなり冬の月
寒月を窓越しに見る子猫かな 窓舐める猫の向うに冬の月 かじかむ手されど今夜は月祭り 着ぶくれてじっと待ってる観月会 月蝕の待ちきれぬ間の燗酒かな 月影に甍は白し冬の夜 北風の止みし瞬間紅き月 満天の星を見上ぐる寒き夜
ポッキーの先に霙のひとしずく ああちくしょう俺の真上に冬の月
鴨たちの雨宿りする橋の下 友よりのメッセ嬉しや師走の夜 雨上がり肩に貼り付く銀杏かな