2006-10-01から1ヶ月間の記事一覧

安部公房 『他人の顔』

十代の頃に読んだ安部公房作 『他人の顔』 を再読。液体空気の爆発で受けた顔一面の蛭のようなケロイド瘢痕によって自分の顔を喪失してしまった男……失われた妻の愛をとりもどすために“他人の顔”をプラスチック製の仮面に仕立てて、妻を誘惑する男の自己回復…

重松 清 『愛妻日記』

『愛妻日記』 は、夫婦の性と愛欲を描いた連作短編集である。 主人公は全て30〜40代のいわゆる倦怠期を迎えた夫婦であり、全6編とも夫である男性の一人称によって描かれている。また、主人公の妻がセックスに関して罪悪感を持っていたり、何らかの性的なトラ…