2012-01-01から1ヶ月間の記事一覧

冬の朝

靴紐を直す少女や冬の朝 地下鉄で蜜柑を食べる母子かな 線路内立入る人や冬の朝 かじかむ手なかなか剥けぬギョニソかな

冬の暮

県道のテールランプや冬の暮 風強く声も聞こえず冬の海

蜜柑

絵日記ノススメ: 描くのが苦手、という人にも絵日記をススメたい3つの理由 ヨシムラ マリさんのブログを読んで、絵日記と俳句は通じるものがあるなあと思ったので、お題を五七五にして並べてみました。 「電車の中にミカンが落ちていた」 兼題は蜜柑。冬の季…

寒風

寒風や二本の足で立つて居る

日脚伸ぶ

日脚伸ぶ猫の寝場所も少しずつ かじかむ手あと一匙のココアかな 冬空へ響けアカペラコーラス隊

冬の夜

冬の夜やどっぷり浸かる子規句集 思い出横丁で飲みながら 冬の夜や思ひ出作りて暖かき

冬の宵

鉄塔に三日月架かる冬の宵

冬の灯

一人寝の狭き布団に猫二匹 病院の遠く感じる寒さかな 医者帰りマフラー脱がず茶を淹れる 冬の灯の次々消ゆる窓辺かな

雪の朝

眩しくて何も見えずや雪の朝 雪解けやきらりと光る黒タイツ

東京の雪

大雪の降り出す前に帰るりょん 冬の夜は熱き番茶とパルティータ

寒の雨

音もなく山茶花散るや雨の庭 寒の雨電車遅延のアナウンス 喉元を過ぎても熱し葛湯かな 寒風に揺れて止まらぬ赤ちょうちん 肉まんの湯気で中身が見えません

大寒

初雪やお天気お姉さん嫌い 大寒や沸いた薬缶を止めに行く 文庫本かじかむ指でめくりけり 街道の車の音や冬の雨 幾たびも文読み返す冬の夜 焼き葱の柔きところで火傷する

懐炉

乗客の背の暖かし懐炉かな

冬の日差し

窓越しの冬の日差しや理髪店

子供の頃に見つけたもの

押入に母のスケート靴ありき

寒き夜

寒き夜シネマの下で待ち合わせ 寒風やホームで震える黒タイツ コンサートホールを出れば冬銀河 ストールをまとふ女の咳一つ

寒月

寒月や枯れ木の先まであと少し

炬燵

猫たちと場所取り合いの炬燵かな

初詣日和

丹沢の先に顔出す白き富士 松過ぎて人の流るる浅草寺 初詣香りも高く煎餅屋

仕事始め

初仕事去年のメールに返信す 初写真父と母とのツーショット コンビニに煙草求むる寒さかな

三が日

国道に葉の吹き溜まる三が日 故郷より戻りし友の訛りかな 丸くなりし父の背中や里帰り

正月

原宿駅3番ホームに大行列 初風や参道沿いを吹き抜けり 初富士やビルの合間に影一つ 賀状来て友の子供の卒業す 初便りそつと鋏で封を切る 初便り拝啓とのみ繰り返し 読初めは青空文庫の山月記 挨拶は短く終われ新年会 呑む前にネタ出し尽くす新年会 初詣帰り…

元旦

珈琲の封を切るなり年新た 本年もよろしくお願いいたします。