Bill Evans / Affinity

アフィニティ

アフィニティ

  • 1978年10〜11月録音。
  • Bill Evans (p, el-p), Toots Thielemans (hca), Larry Schneider (as, ts, fl), Marc Johnson (b), Eliot Zigmund (ds)

 ピアニスト、ビル・エヴァンスが、天才ハーモニカ奏者、トゥーツ・シールマンスと共演した企画盤。
 全9曲入り。全面的にピアノとハーモニカをフューチャーした構成になっていて、特にエコーの深くかかったハーモニカのサウンドが素晴らしい出来である。(逆に他のメンバーは伴奏レベルに留まっている。)また、曲によって「ピアノとハーモニカ」のデュオ、「ピアノとハーモニカとベース」のトリオ、全員参加のクインテットと、異なる編成で演奏を行っている。
 アルバム後半で、エヴァンスはエレクトリック・ピアノを弾いているのだが、エヴァンスのエレピは音色の美しさはあるものの、フレーズやハーモニーの点であまり特徴を出し切っていないように思う。
 (1) "I Do It For Your Love" はシンガー・ソングライターポール・サイモンのカヴァー。原曲はコード進行が複雑な割に、メロディの起伏が乏しく、つまらない曲だと思っていたのだが、ここではエヴァンスのアレンジによって、きわめてドラマチックなバラードとして見事に蘇っている。