Bill Evans / Consecration
- アーティスト: ビル・エヴァンス
- 出版社/メーカー: Timeless Records
- 発売日: 2008/09/02
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- 1980年8月31日〜9月7日録音。
- Bill Evans (p), Marc Johnson (b), Joe Labarbera (ds)
1980年。ビル・エヴァンス最晩年のライヴ。
ヨーロッパ・ツアーから帰国したエヴァンスは、8月下旬からツアーを再開、ロサンゼルスを経てサンフランシスコの老舗ジャズ・クラブ 『キーストーン・コーナー』 に8月31日から9月7日まで連続8日間にわたって出演する。その音源が前述の 『コンセクレイション』 と 『ザ・ラスト・ワルツ』 となる。
8日にサンフランシスコからニューヨークに戻り、翌9日から 『ファット・チューズデイズ』 に出演。2日目にあたる10日の夜が生涯最後のステージとなる。
1980年9月15日、ビル・エヴァンス、他界。享年51。死因は、肝硬変、出血性潰瘍ならびに気管支肺炎とされる。
1979〜80年のビル・エヴァンスは、若手のメンバーを加えたトリオで、精力的にライヴ演奏を行った。
マーク・ジョンソン(b)、ジョー・ラバーバラ(ds)という編成は、通称“ラスト・トリオ”と呼ばれているが、この3人はスタジオ録音を残しておらず(管楽器を加えたアルバム1枚があるのみ。)、その代わりにエヴァンスの死後、大量のライヴ・アルバムが発表されている。
本記事で紹介する "Consecration" および "The Brilliant" という作品は、サンフランシスコのジャズ・クラブ、キーストーン・コーナーにおけるライヴ音源を CD 化したもので、文字通りビル・エヴァンスの“ラスト・レコーディング”となっている。エヴァンス自身、この時の演奏が録音されていることを知らなかったとも言われ、演奏は完璧と呼べるものではなく、彼にしては珍しくミス・タッチの目立つ場面も聴かれる。しかし、リリカルと評されるエヴァンスのピアノが、ここまで激しく荒々しく変貌を遂げた記録として、これらの作品には大きな価値があると思う。
晩年のビル・エヴァンスのピアノは緊張感が強く、BGM には適さない。しかし、その魅力に一度とり憑かれてしまうと、何度も聴き返したくなるのである。