Bill Evans / The Bill Evans Album

  • 1971年5〜6月録音。
  • Bill Evans (p, el-p), Eddie Gomez (b), Marty Morell (ds)

 エディ・ゴメス、マーティ・モレルとのトリオ編成によるスタジオ録音アルバムは、本作しかないことに気づいた。しかも、コロンビア移籍後の新作集である。気合がちがう。全体に力がこもっている。そんな感じの作品である。
 全7曲入り。CD は別テイクが3曲追加されている。そして、旧曲もまざっているが、すべてがエヴァンス作曲のオリジナルである。また、(2) 以外の曲でエレクトリック・ピアノが導入されているのも、本作の特徴といえよう。
 実際、耳を傾けてみると、まず目立つのが (1) "Funkallero" の出だしの歪んだエレピの音である。同曲の別テイク (10) は音がほとんど歪んでいないため、物足りない。初出の1962年録音(アルバム "Loose Blues" 収録)の時はほとんど消化不良だった楽曲が、デモーニッシュによみがえっていて、すばらしい。
 ほかにも、新アレンジによる "Waltz For Debby" など入っているが、エレピはともかく、ゴメスのベースのピッチが不安定で聴きづらい。