トーベ・ヤンソン読書会



 1月20日ogikubo velvetsun で行われた読書会 『杉江松恋の、読んでから来い!』第3回 『トーベ・ヤンソン短編集 黒と白』に参加しました。
 僕のレジュメは、またしても俳句。(ベルベットサン文藝部長 shirasaka さんの無茶ぶりのせいですよ!)
 ヤンソンの短編小説にちなんで作ってみたのですが、マイナーな小説なので、読んだことのない方には何がなんだかさっぱりわからないですね。


「砂をおろす」
水柱眩しき夏の空へ伸ぶ


「発破」
春の海父の発破の夢見つつ


「夏の子ども」
岩礁に子ら残されし白夜かな


「花の子ども」
花の子や勿忘草は酔の底


「記憶を借りる女」
春の暮昔の部屋は失せにけり


「八〇歳の誕生日」
咲く花は花に任せよ春の宵


「狼」
狼を捉えて冬のお辞儀かな


「主役」
梅雨寒や従姉妹は何をする人ぞ


「連載漫画家」
上衣着る古き作家の仕事部屋


「黒と白――エドワード・ゴーリーにささぐ」
寒空やすべての家具の低き家


 北欧フィンランドの長い冬、春の喜び、短く美しい夏の情景が描かれた小説でした。(読書会ではこの部分に誰も触れていませんでしたね。)


トーベ・ヤンソン短篇集 黒と白 (ちくま文庫)

トーベ・ヤンソン短篇集 黒と白 (ちくま文庫)