「チュニジアの夜」聴きくらべ
モダン・ジャズの名曲 「チュニジアの夜」(D・ガレスピー&F・パパレリ作曲)の名演奏をトランペット奏者別に聴きくらべてみる。
ディジー・ガレスピー
Dizzy Gillespie & His Orchestra 名義で発表された、作曲者自身による演奏。ミステリアスなイントロ、印象的なメロディ、ソロの出だしのかっこいいブレイク、エンディングのトランペットによるカデンツァ(ソロ)と、この曲の聴きどころがわずか3分の演奏にぎっちり詰め込まれた名演である。
録音年代もメンバーも不明(たぶん1940年代だと思う)だが、iTunes Store からダウンロードすることが出来る。
マイルス・デイヴィス
チャーリー・パーカー・セプテットによる演奏で、1946年3月28日の録音。アルト・サックスはパーカー、トランペットは当時19歳のマイルス・デイヴィスである。この演奏のキモはなんといっても、1:20 から始まるパーカーのブレイク・ソロだろう。続くマイルスもなかなか頑張っている。
上の YouTube 音源は途中で切れてしまっているのだけど、ノーカット版はこちらで聴くことができる。もっとも、カットされたギター・ソロのあとはテーマに戻ってフェイドアウトなのだが。(チャーリー・パーカーのレコードは、エンディングがいい加減なのが多いのだ。)
この名演奏は以下の CD に収録されている。
チャーリー・パーカー・ストーリー・オン・ダイアル Vol.1
- アーティスト: チャーリー・パーカー,ディジー・ガレスピー,マイルス・デイヴィス,ワーデル・グレイ
- 出版社/メーカー: EMIミュージック・ジャパン
- 発売日: 1997/05/28
- メディア: CD
- 購入: 3人 クリック: 31回
- この商品を含むブログ (20件) を見る
クリフォード・ブラウン
アート・ブレイキー・クインテットによる1954年2月のライヴ演奏。トランペットの天才クリフォード・ブラウン(1930-1956)の熱い演奏が聴ける名盤である。LP 時代の録音なので、演奏時間が長いのが特徴だ。(この後さらに長くなって、ブレイキーの 「チュニジア」 は15分を超えるものもある。)
ブラウンは早世した人なのでレコードが少ないのだが、これは間違いなく最高傑作だと思う。
- アーティスト: ART BLAKEY
- 出版社/メーカー: BLUEN
- 発売日: 2001/08/11
- メディア: CD
- 購入: 6人 クリック: 24回
- この商品を含むブログ (54件) を見る
リー・モーガン
アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズによる1960年8月のスタジオ録音盤。ラテン打楽器の長いイントロに続いて、全員が火の玉になったような熱演を繰り広げている。ソロ先発のテナー・サックスは当時新人だったウェイン・ショーター(1933-)。トランペットは当時22歳のリー・モーガン(1938-1972)である。カデンツァも二人仲良く順番に吹いている。
- アーティスト: アート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズ
- 出版社/メーカー: EMIミュージックジャパン
- 発売日: 2009/06/10
- メディア: CD
- 購入: 1人 クリック: 7回
- この商品を含むブログ (2件) を見る