Charlie Parker / Studio Recordings On Savoy Years

 マイルス・デイヴィスは、1946〜1948年にチャーリー・パーカーの楽団に在籍、大量のレコーディングを行った。当時の音源はダイヤル盤、サヴォイ盤(いずれもレーベル名)としてレコード、CD 化されているが、とにかく量が多い、同じ曲の別テイクがたくさんある、といった事情で、なかなかとっつきにくいのが実情だと思う。まあ、どれを聴いても似たようなものなので、逆にいえばどれを聴いてもかまわないことになる。
 同じ曲を何度も録音したのは、磁気テープを使用せず直接原盤のカッティングを行った当時のレコーディング現場の事情によるものなので、音楽的な意味はないのだ。(インプロヴィゼーションの天才パーカーの研究者ならそれなりに意味はあるのだろうが、マイルスの音楽を鑑賞する上では邪魔なだけである。)
 というわけで本題。チャーリー・パーカーのサヴォイ盤に収録されている "Milestones"、"Little Willie Leaps"、"Half Nelson"、"Sippin' At Bells" の4曲が、マイルス・デイヴィス・オール・スターズ名義の初録音。4曲ともマイルス作曲のオリジナルである。
 パーカーのバンドなのになぜマイルス名義にしたのかについては諸説あって定かでないようだが、この4曲でパーカーはアルトではなくテナー・サックスを吹いている。
 4曲の中では、のちに何度も再演される "Half Nelson" が圧倒的に良い。
 それから、"Milestones" はのちに同じタイトルの有名曲が作られたけれど、別の曲。
 サヴォイ盤を全部チェックしているわけではないのだが、他の収録曲も基本的にマイルスが参加しているはずである。