山口百恵とバッハ

 山口百恵のヒット曲には、J・S・バッハの作品のフレーズがあちこちに引用されているようだ。
 以下の映像は「プレイバック Part1」(作曲:馬飼野康二)。

 「Part2」のほうが有名すぎて、「Part1」なんてあったの? という感じの歌だが、これはこれで名曲だと思う。
 で、この曲のイントロはバッハの 「インヴェンション第13番」 をそのまま使用している。

 「プレイバック」 は Play Bach *1をかけていたのだ。
 そうなると、「Part2」(作曲:宇崎竜童) もバッハに関係があるにちがいない。と思って、聴き直してみた。

 歌いだしのメロディが、「トッカータとフーガ ニ短調」 から引用されている。以下の映像の 1:45 からのフレーズは、「緑の中を走りぬけてく真っ赤な……」 と全く同じである。


 ついでにもう一つ、ちょっとこじつけかもしれないけど。
 「ひと夏の経験」(作曲:都倉俊一)。

 イントロと歌いだしが、「トリオソナタ第2番第3楽章」 の低音部とそっくりだ。(「ひと夏の経験」 のイントロは 「およげ!たいやきくん」 にも似ている。)

 ここまで3曲の百恵ソングは、作曲者が全部別人である。ひょっとしたら、初期の 「ひと夏の経験」 がたまたまバッハに似ていたため、他の作曲家が遊びのつもりでバッハを取り入れたのではないかと想像する。
 ほかにも、「青い果実」 とか 「いい日旅立ち」 とか 「絶体絶命」 などは、歌いだしがバロック風なのであやしいとにらんでいるのだが、出典が不明である。
 余談だが、タイトルだけ似ているというのもあって、「乙女座宮」 のB面に 「視線上のアリア」 という曲がある。それから、「イミテイション・ゴールド」 は 「ゴールドベルク変奏曲」 と関係あるのかどうかわからない。(たぶん関係ない。)


プレイ・バッハ Vol.1

プレイ・バッハ Vol.1

*1:英語読みだと《バック》である。