Miles Davis / Sketches Of Spain

SKETCHES OF SPAIN

SKETCHES OF SPAIN

  • (1) …… 1959年11月20日録音。(2)〜(6) …… 1960年3月10日録音。(7) …… 1959年11月15日録音。
  • Miles Davis (tp, flh), Johnny Coles, Bernie Glow, Taft Jordan, Louis Mucci, Ernie Royal (tp), John Barrows, James Buffington, Earl Chapin, Tony Miranda, Joe Singer (fhr), Dick Hixon, Frank Rehak (tb), Albert Block (fl), Eddie Caine (fl, flh), Harold Feldman (cl, fl, oboe), Romeo Penque (oboe), Danny Bank (b-cl), Jack Knitzer (bassoon), Bill Barber, Jimmy McAllister (tuba), Janet Putnam (harp), Paul Chambers (b), Jimmy Cobb (ds), Elvin Jones, Jose Mangual (perc), Gil Evans (arr., cond.)

 マイルス・デイヴィスギル・エヴァンスのコラボレーション第3作。タイトルのとおりスペインをテーマにした作品である。
 オリジナル LP は全5曲入り。CD は追加曲1曲と別テイク2曲が収録されている。
 (1) はスペインの作曲家ホアキン・ロドリーゴ(1901〜1999)のギター協奏曲『アランフェス協奏曲』第2楽章をギル・エヴァンスが編曲したもの。1940年に初演された原曲は有名なクラシック曲というよりも、マイルスとギルによる本アルバムによって世界的に有名になったといって良いだろう。原曲は10分程度の長さだが、ここでは16分を超える演奏になっている。マイルスのソロは後半に登場するのだが、あまり目立たない。この曲の良さは、原曲のメロディの繰り返しと複雑なアレンジに負うところが大きいのだと思う。
 (2) は同じくスペインの作曲家マヌエル・デ・ファリャ(1876〜1946)*1バレエ音楽「火祭りの踊り」を編曲したもの。マイルスのトランペットはミュート使用。オーケストラの金管楽器の音がうるさくて、好きではない。
 (3)〜(5) はギル・エヴァンス作曲のオリジナル。乾いた、というよりも、やけに殺伐とした音楽である。マイルスのソロは後半のこれら3曲のほうがはるかに良い。(4) と (5) のスネア・ドラムは Jose Mangual という人の演奏なのだろうか。スネアのシャープな音が彩りを与えている。
 (6) は1981年発表のオムニバス盤 "Directions" に収録されていた曲で、ギル・エヴァンスのオリジナル。『ポーギーとベス』同様、金管楽器のうるさいイントロがついていて最悪。

*1:作曲家としてはロドリーゴよりファリャのほうが有名だと思う。