Miles Davis / Live At The 1963 Monterey Jazz Festival

Live at the 1963 Monterey Jazz Festival

Live at the 1963 Monterey Jazz Festival

 モンタレー・ジャズ・フェスティヴァルにおけるライヴ録音盤。1958年に始まった同フェスティヴァルの50周年を記念して発足された Monterey Jazz Festival Records から、2007年に発売されたアルバムである。
 本作が発表されたときは、突然こんなに高音質のライヴ音源が出たことに驚いた。ステレオ録音で、しかもロン・カーターのベースの重低音がばっちり響いている。(60年代前半の他のライヴ盤は正直低音が物足りないものが多い。)
 全6曲入り。(1) は曲の演奏ではなく、開演前の音合わせ。観客のざわめきとドラムのサウンド・チェック、ベースのチューニングといった音が入っているが、もうここからワクワクする。
 と、ここへマイルス登場。拍手が終わらないうちに、(2) 「枯葉」が始まる。客席で何か叫んでいる人がいる。
 (3) "So What" で一段と盛り上がったところで、 (4) "Stella By Starlight"。前の曲の興奮が止まず、イントロのピアノが始まっても客席がざわついているのだが、マイルスがトランペットで一喝! うるさい客を黙らせるのである。ジョージ・コールマンとハンコックの力関係が逆転しだしたのは、この頃からだろうか。この日の演奏はコールマンのソロがあまり印象に残らない。ハンコックのピアノ・ソロは、前半ロン・カーターとのデュオ。二人の絡みが実にすばらしい。
 最後はおなじみ (6) "Walkin'" で再び盛り上がってエンディングへ。
 新メンバーによるクインテットの西海岸デビューは大成功だったようである。