メータ/マーラー 『交響曲第2番 《復活》』

Gustav Mahler: Complete Editionより。
 ズービン・メータ指揮、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団演奏。1975年録音。
 1895年に初演された交響曲で、ソプラノ2名、混声合唱、パイプ・オルガンを含む大編成のオーケストラによって演奏される。舞台の袖に数人の管楽器奏者を配置し、遠くのほうからやまびこのような音が聞こえるようになっている箇所もある。このような舞台演出は、レコード・CD では再現できないものだが、これはこれで仕方ないのだろう。演奏時間は約81分。
 1970年代のオーケストラ録音には、マイクを多数並べてマルチ・トラック・レコーダーで録音し、あとからミックスダウンしたものがときどきあって、このメータ盤もおそらくそういった方法がとられているのだと思う。本来、オーケストラの後方に位置するはずの金管楽器や打楽器の音がやけに近くに聞こえるのである。
 以前、メータのワーグナーを聴いたときはホルンの音が大きすぎて弦楽器の音を打ち消してしまい、げんなりしたものだが、この 《復活》 は決して悪くはない。昔はこういう音が嫌いだったのだけど、今聴くと 「ああ、そういう時代の音なんだな」 と思えるのだから不思議なものだ。
 演奏は重厚長大な楽曲を一気に聴かせる心地よさがあり、素晴らしい。グラモフォンの全集では最初の 「当たり」 かも。