海外文学

ル=グウィン 『ゲド戦記4 帰還』

帰還―ゲド戦記〈4〉 (岩波少年文庫)作者: アーシュラ・K.ル=グウィン,マーガレット・チョドス=アーヴィン,Ursula K. Le Guin,清水真砂子出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2009/02/17メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 3回この商品を含むブログ (9件) を…

伊藤聡 『生きる技術は名作に学べ』

http://d.hatena.ne.jp/zoot32/20100120#p1 生きる技術は名作に学べ (ソフトバンク新書)作者: 伊藤聡出版社/メーカー: ソフトバンククリエイティブ発売日: 2010/01/19メディア: 新書購入: 23人 クリック: 395回この商品を含むブログ (84件) を見る はてなの…

ル=グウィン 『ゲド戦記3 さいはての島へ』

さいはての島へ―ゲド戦記〈3〉 (岩波少年文庫)作者: アーシュラ・K.ル=グウィン,ゲイル・ギャラティ,Ursula K. Le Guin,清水真砂子出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2009/02/17メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 7回この商品を含むブログ (13件) を見る …

G・ガルシア=マルケス 『予告された殺人の記録』

予告された殺人の記録 (新潮文庫)作者: G.ガルシア=マルケス,Gabriel Garc´ia M´arquez,野谷文昭出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1997/11/28メディア: 文庫購入: 11人 クリック: 95回この商品を含むブログ (221件) を見る 自分が殺される日、サンティアゴ・…

『ゲド戦記2 こわれた腕輪』 再読

口絵の地図はほとんど無意味なので、途中で見ないほうが良い。 1は距離の単位がマイルだったが、2ではキロメートルになっている。(翻訳のせいかも。) 序盤の100ページ、テナーの成長過程を描いた部分は意外と面白かった。テナーは4以降、主人公になってい…

『武器よさらば』 結末(ねたばれ)と感想を少しだけ

ヘンリーは、キャサリンと同僚のイギリス人看護婦ファーガスンの二人にマッジョーレ湖畔のリゾートで再会する。マッジョーレ湖はイタリアとスイスにまたがる観光地だが、10月はシーズンオフだ。 ヘンリーが恋人とホテルで楽しいひと時を過ごしていると、ある…

ル=グウィン 『ゲド戦記1 影との戦い』

1を読むのは3回目。まとまらないので箇条書き。 4までしか読んだことがなかった。今回は岩波少年文庫で6まで読むつもり。 以前読んだときは、1と3が面白いと思った。主人公の冒険が多いからだろう。でも、2が一番好きという人もいる。 1は過去2回読ん…

クノー 『地下鉄のザジ』

「ザジ」得意の持ち役の中から簡単に見つけ出した厳かな態度でガブリエルは言いわたす。「本当の陸軍博物館と、本当のナポレオンの本当のお墓を見たいなら、伯父さんが連れてってあげるからね」 「ナポレオンけつ喰らえ」ザジは剣もほろろに。「ぜんぜん興味…

チェスタトン 『木曜日だった男』

やっと読み終わった。 どんでん返しが多く、ストーリーを要約できない。(要約するとネタばらしになってしまう。) 1908年の小説だが、全体の雰囲気は、夏目漱石 『倫敦塔』(1904年)に似ていると思う。 いや、どちらかというとモンティ・パイソンかもしれ…

聖書の翻訳その他もろもろ

わが奇とするもの三あり否な四あり - 蟹亭奇譚 isozakiaiの呟き置き場(旧:愛のカラクリ、AI日記) Traduttore,traditore(ほんやくしゃはうらぎりもの)モンダイなどなど ものすごく濃ゆい言及をいただいたので、わくわくどきどきしながら記事を拝読しま…

わが奇とするもの三あり否な四あり

古い言葉に、この世にめずらしく思われるものが三つある。いや、四つある。空に飛ぶ鷲の路、磐(いわ)の上にはう蛇の路、海に走る舟の路、男の女に逢う路がそれである。…… 島崎藤村 「路」(岩波書店の雑誌『文学』の創刊に寄す)*1 「三つある。いや、四つ…

リチャード・バック 『かもめのジョナサン』

かもめのジョナサン (新潮文庫 ハ 9-1)作者: リチャード・バック,Richard Bach,五木寛之出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1977/06/01メディア: 文庫購入: 13人 クリック: 63回この商品を含むブログ (153件) を見る 本が手元にないので、うろ覚えレビュー。 毎…

アンデルセン 『絵のない絵本』

絵のない絵本 (若い人の絵本)作者: アンデルセン,岩崎ちひろ,山室静出版社/メーカー: 童心社発売日: 1966/11/25メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 2回この商品を含むブログ (3件) を見る 『絵のない絵本』 に絵がついているのは素敵なことである。 以前、…

ヘッセ 『デミアン』

主人公シンクレールが年上の友人デミアンに出会い、次第に惹かれていく前半は、非常に面白い。ぞくぞくくるような面白さがある。 しかし、オルガン奏者ピストーリウスが登場する中盤あたりから、だんだん怪しげな雰囲気になっていく。秘密結社(らしきもの)…

ヴァージニア・ウルフ 『灯台へ』

イギリスの女性作家、ヴァージニア・ウルフ(1882〜1941)が、1927年に発表した長編小説 『灯台へ』 を読んだ。 (僕が読んだのは、上の画像の、古書店で手に入れた昭和31年刊行の新潮文庫版。表紙は旧字体だが、本文は新字体で書かれている。) スコットラ…

平野啓一郎 『小説の読み方 - 感想が語れる着眼点』

小説の読み方~感想が語れる着眼点~ (PHP新書)作者: 平野啓一郎出版社/メーカー: PHP研究所発売日: 2009/03/14メディア: 新書購入: 44人 クリック: 584回この商品を含むブログ (48件) を見る 『本の読み方 - スロー・リーディングの実践』 の続編。前作は “本…

ゲド戦記が岩波少年文庫になったよ

影との戦い―ゲド戦記〈1〉 (岩波少年文庫)作者: アーシュラ・K.ル=グウィン,ルース・ロビンス,Ursula K. Le Guin,清水真砂子出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2009/01/16メディア: 単行本購入: 6人 クリック: 27回この商品を含むブログ (29件) を見るこわれ…

C・S・ルイス 『さいごの戦い』

さいごの戦い―ナルニア国ものがたり〈7〉 (岩波少年文庫)作者: C.S.ルイス,ポーリン・ベインズ,C.S. Lewis,瀬田貞二出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2000/11/17メディア: ペーパーバック クリック: 6回この商品を含むブログ (35件) を見る 「ナルニア国物…

ヘッセ 『車輪の下』

『車輪の下』 はヘルマン・ヘッセが1905年に発表した長編小説。ヘッセ自身が少年時代に経験した出来事が書かれ、彼の自伝的小説とされている。 村一番の秀才少年ハンス・ギーベンラートは神学校へ入学する。神学校というのは大学に進む前の専門学校のような…

無人島に持っていく3冊

無人島はリゾートではない。我々が無人島にたどり着くのは、船が難破したようなときだけであり、当然そこでは水や食料を探し出し、大自然の猛威と戦うサバイバルな状況を想定することが必要である。なぜかヒモと布きれとナイフは持っているので、釣竿を作っ…

ドストエフスキー 『地下室の手記』

ドストエフスキーの 『地下室の手記』 (1864年発表)が面白すぎる。 本書は 「I 地下室」、「II ぼた雪に寄せて」 の2部構成になっており、1部は主人公である40歳の 「俺」 の哲学的考察、2部は物語である。 もっとも、「I 地下室」 は冒頭の自己紹介部分以…