2009-09-17から1日間の記事一覧

チェスタトン 『木曜日だった男』

やっと読み終わった。 どんでん返しが多く、ストーリーを要約できない。(要約するとネタばらしになってしまう。) 1908年の小説だが、全体の雰囲気は、夏目漱石 『倫敦塔』(1904年)に似ていると思う。 いや、どちらかというとモンティ・パイソンかもしれ…

平田禿木、酔っ払って樋口一葉を訪ねる

姉君来訪。ついで秀太郎も来る。長くあそびたり。日暮れて、馬場君、平田君袖をつらねて来らる。今日、高等中学同窓会のもよほしありて、平田ぬし其席につらなりしが、少し酒気をおびて、「一人寐ん事のをしく、孤蝶子を誘ひて君のもとをとひし成り」といふ…

樋口一葉と『文學界』の男たち

『にごりえ・たけくらべ』(新潮文庫)の巻末年譜に、次のようなことが書かれている。 明治二十二年(一八八九) 十七歳 三月、事業は失敗し破産状態となり、一家は神田区淡路町二丁目四番地へ移った。七月、健康を害した父は、死期が迫ったことを知り、妻子…