伊藤聡 『生きる技術は名作に学べ』
http://d.hatena.ne.jp/zoot32/20100120#p1
- 作者: 伊藤聡
- 出版社/メーカー: ソフトバンククリエイティブ
- 発売日: 2010/01/19
- メディア: 新書
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各章扉の挿絵を宮本彩子(id:ayakomiyamoto)さんが描かれていて、彼女のブログには以下のように記されている。
読んだことのある本もそうでない本もあったのですが、既読の『車輪の下で』のイラストを描いたときは「まるで読んだことのない人がタイトルだけ聞いて描いた絵のようだ…!」と、伊藤さんと編集の上林さんに驚愕されました。でもそのままあっさり「おもしろいねー」と採用されてしまったので、今度は私も驚愕しました。
その驚愕のイラストというのがコレである。
これはた・た・楽しい!
本の内容は十分楽しめるものであるし、文章も読みやすい。もっとライトな感じの読書ガイドかと思っていたのだが、結構シリアスに書かれている部分も多い。というのも、取り上げられている10作の文学作品のうち7作は、主人公が死ぬのである。生と死について、父と子の関係について、男と女の間柄について、70年代生まれの著者は自身の体験を交えながら語ってゆく。その語り口自体が一つの文学になっているのだ。
こういう面白い本はぜひシリーズ化していただきたいと思う。海外文学編その2だったら、『アンナ・カレーニナ』、『地下室の手記』、『ライ麦畑でつかまえて』、『灯台へ』、『城』、『百年の孤独』 あたりはぜひ読んでみたい。日本文学編なら、『蒲団』、『それから』、『夜明け前』、『人間失格』、『金閣寺』、『砂の女』 などはいかがであろうか。ソフトバンク新書さん、ぜひご検討ください。