2009-09-01から1ヶ月間の記事一覧

横溝正史 『犬神家の一族』

映画は新旧両作とも観たので、犯人はわかっているのだけど、それでも面白い。横溝正史は謎やトリックよりも文章そのものに魅力があるのだと思う。 表紙はやっぱりこれだよね。(昭和51年版カバー。)

9/8 ミイ

排尿2回。赤い尿は出なくなった。昨日までの血尿は「漏らしている」感じではなく、残尿感があるため「ふんばってしまう」結果、出ていたようだ。 排便今のところなし。食欲ほぼいつもの状態に戻る。抗生剤はあと3日分あるので継続。キャラットを皿まで舐める…

9/7 ミイ

血尿続いている。量は少なく、家じゅうにワインのロゼ色をぽたぽた垂らしている感じ。普通のまとまった量の尿は1回。食欲普通。抗生剤を混ぜたキャラットを1/2袋×1日2回。残さず食べる。軟便少量。なんとなく元気がない。 ケイが威嚇するのは昨夜以降おさま…

9/5 ケイ

ミイを連れて猫河原動物病院から帰宅後、ケイが興奮して、シャーッと威嚇体制をとっていた。動物病院では他の動物を多数飼育しているので、子丑寅卯申酉戌亥などの混ざった匂いが体についたのだろう。猫カフェどころの騒ぎではないのである。

9/6 ミイ

血尿続く。排尿は1回数mlで頻回。トイレ以外の場所でも漏らしている。(ふだんは失禁したりしない。) 採尿キット(柄の先にスポンジがついている器具)で採取したのを動物病院へ持って行くが、量が少なすぎて検査できず。 抗生剤は粉薬。ウェットフード(キ…

ミイの診察

日中、猫のミイに血尿が出た。その後、何度もトイレに行くのに尿がほとんど出なくなってしまったため、動物病院受診。2年前に膀胱炎に罹ったことがあるのだが、当時かかりつけだった猫山先生が引っ越してしまったので、猫河原動物病院へ連れて行く。 猫河原…

文人鍋を囲むの段

谷崎潤一郎が随筆 『文壇昔ばなし』(昭和34年発表)*1に、こんな話を書いている。 京橋の大根河岸あたりだったと思う。鏡花のひいきにしている鳥屋があって、鏡花、里見、芥川、それに私と四人で鳥鍋を突ッついたことがあった。健啖で、物を食う速力が非常…

谷崎潤一郎 『襤褸の光』

「今夜は己は金を七銭持って居る。一緒におでんを喰いに行こう。」 こう云って、彼は女を誘って、花屋敷の傍の屋台へ這入った。二人とも一と串か二た串たべて止める積りで居たけれど、鍋の中から旨そうに煙の出て居る様子を見ると、飢えに迫られて居る二人は…

谷崎潤一郎 『鮫人』

「妙な処へ引っ越して来たね。僕は浅草と云う所へはほうとうに久し振だ。子供の時分に二三度観音様へ来たことがあったけど、………」 南は肘掛け窓に倚りかゝりながら、そんな風にぽつぽつと語った。もう夏が近づいて来たらしい生暖かい風の吹く晩であった。窓…

潤一郎ラビリンス (9)

潤一郎ラビリンス〈9〉浅草小説集 (中公文庫)作者: 谷崎潤一郎,千葉俊二出版社/メーカー: 中央公論社発売日: 1999/01/18メディア: 文庫 クリック: 1回この商品を含むブログ (4件) を見る 大正中期、震災前の東京・浅草を舞台にした小説2編に随筆1編。文章は…

唐天竺の果てまでも

お力は一散に家を出て、行かれる物なら此まゝに唐天竺の果までも行つて仕舞たい、あゝ嫌だ嫌だ嫌だ、何うしたなら人の聲も聞えない物の音もしない、靜かな、靜かな、自分の心も何もぼうつとして物思ひのない處へ行かれるであらう、つまらぬ、くだらぬ、面白…

島崎藤村と子供たちのその後

島崎藤村は 『分配』 を最後に子供たちの登場する小説を書かなくなってしまったので、各種年譜を頼りに彼らのその後を辿ってみたい。*1 島崎藤村 昭和3年、加藤静子と結婚。 昭和3〜10年、『夜明け前』 執筆。 昭和17〜18年、『東方の門』(未完) 執筆。 昭…

島崎藤村 『分配』

太郎に続いて、次郎もまた1年前から木曾に暮らす人となった。さらに、三郎も郊外で自炊生活を始めたところだ。だが、子供たちの経済的な独立には程遠く、《私》 は金銭面の援助を続けている。 その時になって見ると、三人の兄弟の子供は順に私から離れて行っ…

島崎藤村 『嵐』

子供らは古い時計のかかった茶の間に集まって、そこにある柱のそばへ各自の背丈(せたけ)を比べに行った。次郎の背の高くなったのにも驚く。家じゅうで、いちばん高い、あの子の頭はもう一寸四分ぐらいで鴨居にまで届きそうに見える。毎年の暮れに、郷里の…

島崎藤村 『食堂』

お三輪が東京の方にいる伜(せがれ)の新七からの便りを受取って、浦和の町からちょっと上京しようと思い立つ頃は、震災後満一年にあたる九月一日がまためぐって来た頃であった。お三輪に、彼女が娵(よめ)のお富に、二人の孫に、子守娘に、この家族は震災…