2009-05-01から1ヶ月間の記事一覧

第4講 樋口一葉『たけくらべ』(3)

http://homepage2.nifty.com/akoyano/juku/top.html - 文学コース 本日は当初の予定を変更して、『たけくらべ』 の続き。 講義ノート 講義の最中にとったノートをほぼそのまま写したものなので、文責はすべて kanimaster にあります。 十二章について 雨の日…

太宰治 『地図 初期作品集』

その頃の私は、大作家になりたくて、大作家になるためには、たとえどのようなつらい修業でも、またどのような大きい犠牲でも、それを忍びおおせなくてはならぬと決心していた。 太宰治 「断崖の錯覚」 (昭和9年、黒木舜平というペンネームで発表された小説…

芥川龍之介 『雛』

『雛』 は、大正12(1923)年に発表された短編小説。 明治の昔、没落した士族の父は、立派な雛人形一式を骨董屋に売り、家計の足しにすることにした。買い手は横浜の亜米利加人。骨董屋は父に半額の手付金を渡す。 娘の 《わたし》 は、もう一度雛人形を見た…

和助誕生

明治維新。三百年続いた本陣・問屋・庄屋制度も廃止され、青山半蔵は馬篭の戸長となった。以下は明治6年春の出来事である。 その年から新たに祝日と定められた四月三日は、木曾路で初めて迎える神武天皇祭である。(中略) 半蔵の妻お民も、今は庄屋の家内で…

連休の顛末

黄金週間はどこの高速道路も大渋滞らしい。そんなこともあろうかと、この連休は電車であちこち出かけることにした。都電や江ノ電など、ふだん乗らない電車にも乗った。 さて、母の日も近いことだし、義両親を誘って食事にでも行こうかと、久しぶりに車を出そ…

江の島へ

懸案だった江の島へ行く。 「しらす干し」や「ちりめんじゃこ」で知られるシラスは、イワシの稚魚。相模湾で獲れるシラスは春の味覚である。写真上は生しらす丼。下は釜あげしらす丼。どちらも1パックくらいの量のシラスをがっつり食べる。 焼きはまぐり。貝…

ヴァージニア・ウルフ 『灯台へ』

イギリスの女性作家、ヴァージニア・ウルフ(1882〜1941)が、1927年に発表した長編小説 『灯台へ』 を読んだ。 (僕が読んだのは、上の画像の、古書店で手に入れた昭和31年刊行の新潮文庫版。表紙は旧字体だが、本文は新字体で書かれている。) スコットラ…

都電荒川線

やはらかに木陰を揺らす柳かな春深し今は昔のたけくらべ新緑の樋口一葉記念館線路端花に水やる女子(をなご)あり家並(やなみ)より線路にかかる鯉のぼり下校途中黄色い帽子に笑顔咲く蒲公英の綿毛と競う都電かな白き花の敷き詰められたる専用軌道

一葉記念館

台東区立一葉記念館|我が国初の女性作家の単独文学館 台東区竜泉にある一葉記念館へ行った。 樋口一葉の自筆原稿は大半がレプリカらしい。 初出掲載の新聞、雑誌等の展示は充実している。 歌塾 《萩の舎》 時代の写真は貴重。集合写真で見ると、一葉は美人…