リー・モーガン殺害事件
http://d.hatena.ne.jp/jun-jun1965/20091212
受賞式に元愛人などが乱入するという小説があったような気がする。だが、受賞式が行われている最中に「あたしはこの男に捨てられたー!」などと叫ぶことはまずできない。雰囲気に呑まれるからである。ではキチガイならどうか。キチガイですらムリであろう。キチガイが人を刺すとか撃つとかいうのはあるが、「あたしはこの男にーー!」と叫ぶのは、キチガイにもできない。なぜならそういう話を聞いたことがないからである。
大声で叫んだりすると周囲に取り押さえられてしまので、そのような事態には至らないのかもしれないけれども、リー・モーガン(1938-1972)というトランペット奏者は、出演中のジャズ・クラブに乱入した愛人に射殺された。
1972年2月18日、リー・モーガンはニューヨークにあったジャズクラブ「スラッグス」でライブ演奏をしていたが、その2ステージ目と3ステージ目の合間の休憩時間に、愛人のヘレン (Helen More) に拳銃で撃たれ、ただちにベルビュー病院に移送されたが、ほぼ即死状態だった。
この 「愛人」 というのがよくわからなくて、海外のサイトを検索すると、Morgan's live-in girlfriend と記載されていたり、common-law wife と書かれていたりするのだが、事件当時、リーは33歳、ヘレンは46歳であったらしい。
http://speakeasy.jazzcorner.com/speakeasy/showthread.php?t=20454
上は、Larry Reni Thomas という人物が、服役を終えたヘレンにインタビューを行ったという記事である。"He said she always called herself Helen Morgan." (彼女はずっとヘレン・モーガンと名乗っていた)というくだりが物悲しい。(インタビューの全文記事はこちら。)
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