Herbie Hancock Quartet

Quartet

Quartet

  • 1981年7月28日録音。
  • Wynton Marsalis (tp), Herbie Hancock (p), Ron Carter (b), Tony Williams (ds)
  • 1961年生まれの新人トランペット奏者、ウィントン・マルサリスを大々的にフィーチャーしたカルテット(というよりトリオ +1)作品。"Herbie Hancock Trio with Ron Carter + Tony Williams" の翌日、同じ CBS スタジオで録音された。(LP 盤は2枚組で発売。)
  • 全9曲入り。(1), (2) はセロニアス・モンク作曲のジャズ・スタンダード。(9) もスタンダード・ナンバー。他の曲はハービー、ロン、トニーが作曲したオリジナル。なお、(1), (2), (7)〜(9) はマイルス・デイヴィスがかつて演奏したレパートリーである。
  • 前日録音のトリオ・アルバム同様、音質が非常に良い作品だ。(と思ったら、ジャケットにデジタル・レコーディングと書いてあった。)ただし、楽器やマイクのセッティング等については、トリオのときとだいぶ違うようである。
  • マルサリスの音楽はつまらない。ずば抜けたテクニックの持ち主だが、まったく感動しない。おそらく本人も退屈しているのではないかと思う。ときどき音を外す(ジャズ用語では「アウト」と呼ぶ)のだけれど、その外し方すらわざとらしいのだ。のちに彼が発表したアルバムには、たいてい彼自身による解説(というかお説教っぽいメッセージ)が書かれていて、うんざりする。演奏もがっかりだ。
  • マルサリスはジャズを古典として捉えなおすムーヴメントを起こした。結果的に、そこからは何も新しいものが生まれなかった、というのが現在の彼に対する僕の評価である。彼のリーダー作品で心から楽しめるのはクリスマス・アルバムくらいのものだろう。
  • 本アルバムについてだが、マイルスのレパートリーは論外。一番良いのはロン・カーター作曲の (4) である。16分におよぶシンプルなリフ・ナンバーだが、トリオの結束が強く感じられ、何度もクライマックスがおとずれる。