2009-08-01から1ヶ月間の記事一覧

志賀直哉の小説に出てくる 《不愉快》 を集めてみた

……いやな事を凝(じ)っと待つ心持程に不愉快なものはない。 『クローディアスの日記』 ※強調部は引用者による。(以下同様。) ……自分は父に対してずいぶん不愉快を持っていた。 『和解』 二 ……それから主人方の富に対する使い方に僕はかなり神経質になった…

中棚荘

八月のはじめ、私はこの谷の一つを横ぎって、中棚(なかだな)の方へ出掛けた。私の足はよく其方(そちら)へ向いた。そこには鉱泉があるばかりでなく、家から歩いて行くには丁度頃合の距離にあったから。 中棚の附近には豊かな耕地も多い。ある崖の上まで行…

志賀直哉 『暗夜行路』

主人公時任謙作は友人二人と連れだって、初めて吉原へ行く。茶屋で酒を飲み、朝まで過ごしている。 夜が明け始めた。疲れと酔いとで、滝岡も阪口も、もう其処へ寝ころんで、うとうととしていた。豊は縁へ出て、秋らしい静かな雨の中を帰って行く人々をぼんや…

小諸市立藤村記念館

http://www.city.komoro.nagano.jp/www/contents/1073979664433/index.html 入口のあたりに島崎藤村の胸像が飾られていて、観光客が記念写真を撮っている。藤村と眼鏡も同じ我が夫 最近、このブログで取り上げたばかりのネタを記念館で見るのは、不思議な気…

小諸懐古園の猫

小諸城址 懐古園へ行った。 http://www.city.komoro.nagano.jp/www/contents/1073979664433/index.html ここには小諸市立藤村記念館というのがある。馬籠に続いて、藤村記念館をハシゴしたことになる。(移動距離が長いので、普通の信州旅行を楽しみたい方に…

潤一郎ラビリンス (8)

潤一郎ラビリンス〈8〉犯罪小説集 (中公文庫)作者: 谷崎潤一郎,千葉俊二出版社/メーカー: 中央公論社発売日: 1998/12/18メディア: 文庫 クリック: 7回この商品を含むブログ (7件) を見る 以前読んだ短編集 『私』 と3編がダブっている。 FETISH STATION - 谷…

藤村いろは歌留多

馬籠・藤村記念館で売っている 「藤村いろは歌留多」 を購入。字札を島崎藤村が書き、絵札を岡本一平(岡本太郎の父)が描いているという代物である。 なんというか、これがまた実にシュールなかるたなのだ。まずは上の画像を見てほしい。左下にウサギとカメ…

藤村記念館

墓参りを済ませて再び街道筋に戻り、急な石畳を登る。日差しが強く汗ばむ陽気だが、木陰に入ると涼しい風が通る。急坂の上を下への蝉時雨藤村記念館 arch-hiroshima.net - このウェブサイトは販売用です! - 広島 建築 広島市 Hiroshima hiroshima japan 建…

藤村の墓

木曾路はすべて山の中である。 島崎藤村 『夜明け前 第一部』 序の章 一 木曾十一宿の一つ馬籠(まごめ)に行ってきた。 駐車場に車を停め、石畳の急坂を歩いて登る。両側は民宿や土産物屋の古い建物が並ぶ街道筋である。今年の夏は雨が多く、至る処、川の水…