藤村いろは歌留多
馬籠・藤村記念館で売っている 「藤村いろは歌留多」 を購入。字札を島崎藤村が書き、絵札を岡本一平(岡本太郎の父)が描いているという代物である。
なんというか、これがまた実にシュールなかるたなのだ。まずは上の画像を見てほしい。左下にウサギとカメの絵が描かれているが、彼らはかけっこをしているのではなく、首にひもを巻いて引っ張り合いをしているのである。
中身も見てみよう。
普通のいろはかるたのような諺や格言のようなものはなくて、ほとんどこんな感じのものばかりなのである。見ていて楽しく、ちょっと不思議な感じがする。でも、藤村ってこんな作家だっけ?
デイリーポータルZ:島崎藤村のいろはがるた
こちらのページに、画像が多数紹介されているので、合わせて読んでいただきたいと思う。
ところで、このかるた、いつ頃作られたものなのか? その答えは箱のふたの裏側に印刷された奥付に書かれていた。
大正十六年一月一日印刷
大正十六年一月五日發行
大正十六年!
このかるたは昭和55年に発売された復刻版だが、元の初版は昔のものである。当時の出版・流通事情は知らないのだが、おそらく大正15年12月頃に発売されたのではないだろうか。*1 かるたは正月に遊ぶものだから、12月には店頭に並ぶはずだしね。
藤村記念館公式ホームページ
「藤村いろは歌留多」 は通販でも購入できるらしい。レトロ・アートに興味のある方は手にとってみては如何。
*1:同年12月25日以降は昭和元年である。