Miles Davis / Quiet Nights
- アーティスト: マイルス・デイビス
- 出版社/メーカー: SMJ
- 発売日: 2014/03/12
- メディア: CD
- この商品を含むブログ (1件) を見る
- (1)〜(6) …… 1962年7月27日、8月13日、11月6日録音。Miles Davis (tp), Gil Evans (arr., cond), Shorty Baker, Bernie Glow, Louis Mucci, Ernie Royal (tp), J.J. Johnson, Frank Rehak (tb), Ray Alonge, Don Corrado, Julius Watkins (fh), Bill Barber (tuba), Steve Lacy (ss), Albert Block (fl), Ray Beckenstein, Jerome Richardson (woodwinds), Garvin Bushell, Bob Tricarico (bassoon), Janet Putnam (harp), Paul Chambers (b), Jimmy Cobb (ds), Willie Bobo, Elvin Jones (perc)
- (7) …… 1963年4月17日録音。Miles Davis (tp), Victor Feldman (p), Ron Carter (b), Frank Butler (ds)
- (8) …… 1963年10月9〜10日録音。Miles Davis (tp), Gil Evans (arr., cond), Dick Leith (b-tb), Bill Hinshaw, Art Maeba, Richard Perissi (fh), Gene Cipriano, Paul Horn (woodwinds), Fred Dutton (bassoon), Marjorie Call (harp), Herbie Hancock (p), Ron Carter (b), Tony Williams (ds)
マイルス・デイヴィスとギル・エヴァンスによるコラボレーション第5作（ライヴ盤含む）。ムード音楽と呼ばれて評判が悪く、マイルスも本作の発売に反対したといわれているが、実際聴いてみるとそんなに悪くはない。音質が非常に良いし、なにより聴きやすいのである。このアルバムの最大の問題は、マイルスのモチベーション低下による録音済み素材の量的な不足（正味20分程度しかない）なのだ。
オリジナル LP は全7曲入り。(1)〜(6) がマイルスとギル・エヴァンス・オーケストラの共演作品で、21分間。
(2) はミシェル・ルグラン作曲のスタンダード・ナンバー。人気曲だが、ルグランってギル・エヴァンスのライバルだったんじゃないのか！ この選曲はアリなんだろうか。
(6) "Corcovado" は2分45秒のボサノヴァ曲だが、1分18秒のところで別の曲（(3) の別テイク）に移行するという編集が施されている。こういう中途半端な録音（おそらく最後まで演奏しなかったのだろう）をアルバム・タイトル*1 にするのは変だし、さらにこの曲、シングル・カットされたらしいのである。マイルスも怒るはずだ。
(7) は "Seven Steps To Heaven" （1963年発表）のロスアンゼルス・セッションの残り。カルテット演奏*2 によるバラードで、これは案外良い。で、オーケストラ演奏の6曲に (7) を合わせて発売された。（発売順は "Seven Steps..." より後。）レコード両面あわせてわずか27分間。アルバムとしては短すぎる。
(8) は1997年リマスター盤 CD に追加された曲で、本アルバムの1年後に舞台演劇の伴奏用音楽として依頼、製作された作品。全体で12分45秒の長さだが、実際は9つの短い曲が続けて演奏されている。第1曲はハービー・ハンコック、ロン・カーター、トニー・ウィリアムスのトリオによる演奏。マイルスのソロが素晴らしいのは第3曲。このセッションが渋いのは、（マイルス以外の）トランペットが入っていないからだと思う。
