Miles Davis & Michel Legrand / Dingo

  • 1990年3月録音。
  • Miles Davis, Chuck Findley (tp), Kenny Garrett (sax), Kei Akagi (key), Foley (lead bass), John Bigham (ds), Michel Legrand (key, arr., cond), etc.

 1992年公開のオーストラリア=フランス合作映画『ディンゴ』のサウンドトラック盤。マイルスにとっては、30数年ぶりにミシェル・ルグランと共演した作品となったが、アルバム発売はマイルスの死後、1991年11月のことであった。
 全16曲のうち、マイルスは8曲に参加。他の曲ではチャック・フィンドリーというセッション・ミュージシャンがトランペットを吹いている。また、この映画にマイルスは俳優として 《伝説のミュージシャン》 の役で出演しており、本アルバムでセリフの一部を聴くことができる。
 映画は見ていないのだが、主人公(若いアマチュア・トランペット奏者)が演奏するパートをフィンドリーが吹き、《伝説のミュージシャン》 のパートをマイルスが演奏しているようだ。どちらも映画の中の役を演じているのであって、ミュージシャンとしての素の演奏ではないのである。ユニークなコンセプトの作品だと思うのだが、それゆえ純粋に音楽を楽しむことができない面もあって、マイルスの死後まもなく発表された割にはあまり話題に上らなかった。(映画の公開が遅かったというのもあるだろうし。)
 ミシェル・ルグランの映画音楽は久しぶり。ビッグ・バンドのアレンジが豪華で、結構楽しめる作品だと思う。