Miles Davis / Amandla

 1989年、マイルスの生前に発表された最後のアルバム。上記のように曲ごとの参加メンバーは詳しくクレジットされているのだが(スティーヴ・カーンは記載されていない)、レコーディング日付の記載がない。おそらく、何日もかけて多重録音などの処理を行ったのだろう。
 有名・無名、新人・ベテランなど参加メンバーが多いが、全体にバンドとしてまとまりのあるサウンドになっていて、非常に評価の高いアルバムである。プロデューサーは、(2) のみジョージ・デューク。それ以外はトミー・リピューママーカス・ミラーが手掛けている。
 全8曲入り。すべての曲が5分前後の長さだが、(3), (4), (5), (7) は似たようなリズム・パターンの曲である。
 マイルスのパートは多いが、他のメンバーのソロは短い。メンバーの中では、ほとんどの曲に参加しているサックス奏者、ケニー・ギャレットの活躍が目立つ。彼のソロのときは、マイルスがちゃんと絡みに行くのである。一方、ジョー・サンプルのピアノは今聴くと古臭いとしかいいようがない。
 (8) はバラードの名演奏。マイルス、マーカス・ミラー、アル・フォスターのほぼトリオによる演奏だが、おそらく一発録音だったのではないか。こういう曲をもっと聴きたかった!と思う。