クレーメルほか/マーラー 『ピアノ四重奏曲断章』
Gustav Mahler: Complete Editionより。
ギドン・クレーメル(vn)、ヴェロニカ・ハーゲン(va)、クレメンス・ハーゲン(vc)、オルグ・マイセベルク(pf)による演奏。1994年録音。
交響曲と歌曲で知られるグスタフ・マーラー(1876-1911)による現存する唯一の室内楽曲であり、1876年、マーラーが16歳のときに音楽学校の試験に提出するために作曲した習作である。第1楽章しか楽譜が残されていないため、「断章」と呼ばれているが、残りの楽章を作ったのかどうか不明らしい。
以下の映像は、Quarto Quartet による2009年の演奏。
標準的なピアノ・カルテット編成だが、ピアノはあまり目立たず、弦楽器が美しく絡み合いながら展開する。また、8:40 からヴァイオリンのカデンツァ(独奏)が含まれているが、これは室内楽には珍しいものである。全体に暗い曲調だが、ちょっとブラームスやドヴォルザークを思わせる曲想だと思う。
マーラー全集に収録されているクレーメル等の演奏は、2010年公開の映画 『シャッターアイランド』 のサウンドトラックに用いられている。
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