バーンスタイン/マーラー 『交響曲第5番』

Gustav Mahler: Complete Editionより。
 レナード・バーンスタイン指揮、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団演奏。1987年ライヴ録音。
 1902年に完成した交響曲で、マーラーは作曲中に妻アルマと出会い、結婚している。5つの楽章から成り、演奏時間は約70分。
 以下の映像はバーンスタインと VPO による第1楽章の前半部分。うp主のコメントによると、1973年の演奏とのこと。

 新婚早々、パパパパーンと葬送行進曲をやっているのがコレである。楽譜には 「正確な速さで」 と指定されているそうだが、バーンスタインはそんなものは無視。ゆったりめのテンポで、速くなったり遅くなったり、自由自在にオーケストラを操っていく。
 過ぎたるは及ばざるがごとしという諺があるが、マーラーはこれに当てはまらない。感情過多、演出過剰で、これでもか!とぶつかってくるのが、マーラーの醍醐味である。バーンスタインのこの曲にかける情熱は並はずれたものがあり、演奏時間は75分に及ぶ。
 続いて、有名な第4楽章 アダージエット。


 弦楽器とハープによる至上の調べである。シンプルな作りの曲なので、どの指揮者の演奏もそんなに大きな違いが出ない楽章なのだが、バーンスタインは特別だ。エンディングの盛り上がりは、ああこの演奏を聴くことが出来てよかった、と心から思う。