Herbie Hancock / Dis Is Da Drum

ディス・イズ・ダ・ドラム

ディス・イズ・ダ・ドラム

  • 1993〜94年録音。
  • Herbie Hancock (p, key), Wallace Roney (tp), Bennie Maupin (ts), Hubert Laws (fl), Wah Wah Watson, Darrell "Bob Dog" Robertson (g), Frank Thibeaux (el-b), Ken Strong, Will Kennedy (ds), Will "Roc" Griffin (sequencing, sampling, drum loops), Bill Summers, Airto Moreira, Niayi Asiedu (perc), Darrell Smith, Mars Lasar (key), Lazaro Galarranga (vo), etc.
  • Mercury レーベル移籍第1弾。"Perfect Machine" (1988年)以来久しぶりのエレクトリック作品である。70年代のフュージョン&ファンク、90年代(当時最新の)HIP-HOP とアシッド・ジャズ、アフリカン・パーカッションとヴォーカルと、さまざまな要素を融合したアルバムで、その割に全体の統一感があって聴きごたえのある作品になっている。
  • 70年代のバンド 《ヘッドハンターズ》 から、ベニー・モウピン、ワー・ワー・ワトソン、ビル・サマーズが参加。ビル・サマーズはハービーとともにプロデューサーとして名を連ねている。
  • 一方、サウンドの中心部分を構成しているのは新メンバー、ダレル・“ボブ・ドッグ”・ロバートソン*1、ウィル・“ロック”・グリフィン、ダレル・スミスの3人だ。特にハービーのファンであるグリフィンとスミスはサブ・キーボード奏者として音の厚さを増していて、その分、ハービーはソロに専念しているようである。
  • ハービーは主にアコースティック・ピアノとミニ・ムーグ(!)を弾いている。これがまたかっこいいのだ。
  • 全13曲入り。(3) はドラム・ループとパーカッションのアンサンブル。(12) と (13) は収録曲のリミックス・ヴァージョン。
  • (6) "Butterfly" は5回目の録音。ハービーとモウピンの共作曲で、ヒューバート・ロウズのフルートをフィーチャーした美しいスロー・ナンバーである。(作曲者のベニー・モウピンは、他の曲でテナー・サックスを吹いているにもかかわらず、この曲には不参加。)
  • 94年にはハービーの "Cantaloupe Island" をサンプリングしたイギリスの RAP ユニット Us3 の "Cantaloop" が大ヒットした。本アルバムで聴かれるような HIP-HOP & acid jazz 路線は、この後彼らによって受け継がれたといって良いのではないかと思う。

*1:1995年死去。ハービーの次作 "The New Standard" はダレルに捧げられている。