A Tribute To Miles

A Tribute To Miles

A Tribute To Miles

  • 1992年9月19日、ライヴ録音。1993年(?)スタジオ録音。
  • Herbie Hancock (p), Wayne Shorter (ts, ss), Wallace Roney (tp), Ron Carter (b), Tony Williams (ds)
  • マイルス・デイヴィス(1926-1991)の没後1年経った頃行われたトリビュート・ライヴおよび同メンバーによるスタジオ録音を集めたアルバム。トリビュート・ライヴのメンバーはハービー・ハンコック以下、60年代中期にマイルス・デイヴィスと共演したミュージシャンに加えて、トランペット奏者ウォーレス・ルーニー(1960-)の5人。Colombia レーベルから一時的に移籍した Qwest (クインシー・ジョーンズが興したレーベル)から1枚だけ発表した CD である。
  • 全7曲入り。(1) と (7) はマイルス作曲の名曲でライヴ録音。(2)〜(6) はハンコック、ショーターほかメンバーの作品でスタジオ録音である。また、(5) 以外はすべて60年代中期のマイルス・デイヴィスクインテットのレパートリーとして有名な曲ばかりだ。
  • ウォーレス・ルーニー以外は V.S.O.P. のメンバーと同じなのだが、音ははるかにマイルス寄りになっていて、緻密な演奏が繰り広げられる。
  • ウォーレスは自身も認めているとおり、「マイルスのコピー」をやっているトランペット奏者だ。マイルス・デイヴィスクインシー・ジョーンズの共演アルバム "Miles & Quincy Live at Montreux" (1991年録音)で、ウォーレスはマイルスの影武者的な存在として、ジャズの帝王の隣りでトランペット・ソロを吹いていたのだ。もちろん本物には到底及ばないのだが、楽器の音色やフレージングはマイルスそっくりなので、この手の企画にはうってつけのミュージシャンだと思う。
  • せっかくの良い演奏なのだから、もっとライヴの曲目を増やせば良かったのにと思う。(未発表録音があるのではないだろうか。)
  • 録音・バランスも非常に良く、特にベースはマイクで音を拾っているため重低音が響いている。ただ、90年代前半のマスタリング CD のため音圧が低めなので、リマスターの上、再発売されることを望みたい。