Buster Williams / Something More

Something More

Something More

  • 1989年3月8〜9日録音。
  • 大野俊三 (tp), Wayne Shorter (ts, ss), Herbie Hancock (p, key), Buster Williams (b, piccolo-b), Al Foster (ds)
  • 1970年代前半にハービー・ハンコックと Mwandisi Sextet で共演していたベーシスト、バスター・ウィリアムス(1942〜)のリーダー作。ウェイン・ショーターとハービーが全面的に参加しているメイン・ストリーム・ジャズ作品である。
  • 全7曲入り。(6) と (7) はスタンダード・ナンバー。ほかはバスター作曲のオリジナル。
  • (1), (3), (5) は全員参加のクインテット演奏。(6) はピアノ、ベース、ドラムのトリオ演奏。その他はウェインを大々的にフィーチャーしたカルテットによる演奏になっている。
  • バスターのベースはピックアップを通したブワーンと鳴る録音で、89年という時期にはすでに古くなっていたのではないかと思うが、この音さえ嫌でなければ演奏は悪くない。ピッチも正確だし、ベース・ソロはロン・カーターより上手いのではないだろうか。
  • ウェイン・ショーターは大活躍。V.S.O.P. のときと違って、曲の雰囲気を壊さないまま、美しいソロを聞かせている。
  • ハービーのピアノもなかなか良いのだが、何曲かで用いられるデジタル・シンセの音が薄っぺらくて、その部分だけ台無しになっている。
  • アル・フォスターは70〜80年代前半にマイルス・デイヴィス・グループで活躍したドラマーだが、本作録音当時はメイン・ストリーム・ジャズのセッション・ミュージシャンとして活躍していた。ここでは彼のドラムは、ほとんど別人のように大人しい。
  • トランペットとソプラノ・サックスのアレンジが見事な (1)。ソプラノの旋律がやさしいバラード (2)。8ビートだけどフュージョンではなくジャズ・ロックに近い (3) など、バスターの前半のオリジナル曲が特にすばらしく、後半のスタンダード曲はつまらない。前半のクオリティで全体を維持できれば名盤になっていたのだろうと思う。