Herbie Hancock / Feets Don't Fail Me Now

Feets Don't Fail Me Now

Feets Don't Fail Me Now

  • 1978年録音。
  • (1)〜(5) …… Herbie Hancock (key, vocoder), Ray Obiedo, Ray Parker Jr. (g), Eddie Watlins (el-b), James Gadson, James Levi (ds), Bill Summers, Coke Escovedo, Sheila Escovedo (perc), Julia Tillman Waters, Maxine Wiilard Waters, Oren Waters, Luther Waters (chorus)
  • (6) …… Herbie Hancock (key), Bennie Maupin (ss), Wah Wah Watson (g), Freddie Washington (el-b), James Levi (ds), Brian Davis (perc), Gordon Bahary (synth programming)
  • ハービーのディスコ3部作第1弾。エレクトリック路線でいうと "Sunlight" の次作にあたる本アルバムは、ジャズ〜フュージョン色が薄くなり、当時流行したディスコ・サウンドに乗っかった作品である。ただし、(ディスコ・サウンドが悪いわけでは決してなくて)「やっつけ」で作った感が透けてみえて、ひどいアルバムだ。
  • 全6曲入り。(1)〜(5) はハービーのヴォコーダー・ヴォーカル曲。(6) のみ 《ヘッドハンターズ》 によるインストゥルメンタル曲。CD に入っている (7) は (4) のリミックス版。作曲に関しては、ハービー単独名義の曲は一つもなくて、ハービーとメンバーの共作、またはメンバーの作曲によるものばかりである。
  • 売れ線を狙った音作りなのに、どう考えても売れるようなキャッチーなメロディに欠ける曲が並んでいて、がっかりする。ヴォコーダーを使ったヴォーカルは("Sunlight" はあんなにかっこよかったのに)クセが強すぎて、曲を殺している。
  • (1)〜(5) には The Waters という4人組兄妹コーラス・グループが参加しているのだが、アレンジもダサいし歌も下手。にもかかわらず、このグループは "Monster"、"Madic Windows" にも参加している! (この頃からハービーのアルバムには、ときどきこういう「なぜここにいるのかわからない無名のミュージシャン」が参加しているようだ。何か音楽以外の事情があるのではないかと推測するのだがどうだろう?)
  • 本作からハービーは「クラヴィター」という肩から吊り下げるタイプのシンセを使用している。リード・ギターみたいにステージの前のほうでソロを弾くときの楽器である。ちっともかっこいいと思わないし、ARP Odyssey などに比べるとピッチ・ベンドの使い方が下手でノリが悪いと思う。
  • 《ヘッドハンターズ》 が演奏する (6) はポール・ジャクソン不参加のためか、リズムが軽すぎる。ベニー・モウピンが短いソロをとっているが、音が小さくてリズム・ギターに負けているほどだ。(ワー・ワー・ワトソンのリズム・ギターはかっこいいのだけど。)
  • ずいぶん言いたい放題書いたけれども、良いところが一つも見つからない。困ったものである。