V.S.O.P. The Quintet / Tempest In The Colosseum

テンペスト・イン・ザ・コロシアム

テンペスト・イン・ザ・コロシアム

  • 1977年7月23日、田園コロシアム(東京)におけるライヴ録音。
  • Herbie Hancock (p), Freddie Hubbard (tp, flh), Wayne Shorter (ss, ts), Ron Carter (b), Tony Williams (ds)
  • かつて大田区田園調布にあった田園コロシアムで開催された「ライヴ・アンダー・ザ・スカイ」に出演した V.S.O.P. クインテットによる演奏を収録したライヴ盤。彼らにとっては U.S. ツアー終了後のファイナル・ステージであった。本アルバムは当初2枚組 LP として日本のみ発売された(CD は1枚になっている)。
  • 全6曲入り。作曲者はハンコックが2曲、あとはメンバー4人が各1曲ずつ。アルバム "The Quintet" (U.S. ライヴ)とは1曲("Lawra")のみ重複しているが、もちろん別の日の演奏である。
  • (1) はベースの6/4拍子のリフから始まるが、この出だしは "The Quintet" と全く同じである。あれあれ?と思っていると、突然すごい速さの4ビートに変わり、"The Eye Of The Hurricane" のテーマで全員登場。このオープニングは何度聴いてもかっこいいと思う。16分の長尺演奏である。
  • (2) "Diana" はハービーの MC によると、フローラ・プリムアイアート・モレイラ夫妻の娘の名前で、「ジアナ」と発音するらしい。ショーター作曲のスロー・ナンバーで、アルバム "Native Dancer" 収録曲の再演である。(ハバードは不参加。)
  • (3) はカーター作曲。マイルスのアルバム "E.S.P." 収録曲の再演である。8ビートの名曲を元のアレンジのまま演奏しているのだが、原曲のイメージが強すぎて、こちらは緊張感の少ないブルースになっている。途中のテンポ・チェンジも予定調和的。
  • (4) 「処女航海」は4年連続レコード化(!)。うち3回は日本での録音である。日本人は「処女航海」が好きすぎるのではないか。それはともかく、演奏は前年のニューポートのときよりも格段に素晴らしい。途中の無伴奏ピアノ・ソロも(ハービーにしては珍しく)ドラマチックに盛り上げている。
  • (5) はトニーの新曲。"Third Plane"、"The Quintet" に続く再演だが、当ヴァージョンは大半がドラム・ソロになっている。
  • (6) はハバード作曲の名曲。当夜のライヴのクライマックスである。ベースのピッチが狂いまくりだが、気にしない。
  • 一部テープの回転ムラらしき音が不安定になる箇所があって残念。