An Evening With Herbie Hancock & Chick Corea In Concert

Evening With

Evening With

  • 1978年1〜2月、ライヴ録音。
  • Herbie Hancock (p), Chick Corea (p)
  • 1978年に行われたハービー・ハンコックチック・コリアによるピアノ・デュオ・コンサートから収録し、CBS ソニーから発売された2枚組ライヴ・アルバム(プロデューサーはデヴィッド・ルービンソンとハービー)。同時期のデュオ・ライヴは79年にもう1枚出ていて、そちらのほうはチック・コリアがプロデュースした。
  • 1970年代といえば、キース・ジャレットが完全即興演奏によるソロ・コンサートをやって注目されていた時代である。彼のソロ・コンサートは実に前人未到空前絶後であって、誰にも真似のできない偉業だったのだ。意地悪な見方をすれば、ハービーとチックのデュオというのは、キースが一人でやったことに二人がかりで挑戦し、キースのように武道館の観客席を満員にする、というような感じの企画なのである。(それでもキースにはかなわなかった、というのが結末だ。)人気ピアニストの競演ということで、演奏自体は素晴らしいと思うのだが、企画としてはイロモノであり、現代の耳で聴くと資料的価値以上のものは感じられない。
  • 全6曲入り。(1) と (2) はスタンダード・ナンバー。(3) は二人の共作と書かれているが、ほとんど即興演奏。(4) はハービーのソロ。(5) はハービーの「処女航海」(5年連続レコード化!)。(6) はチックの名曲「ラ・フィエスタ」。
  • 曲がとにかく長い。一番短い (2) が9分。(6) に至っては22分もあって、続けて聴くのはしんどいし、かといって1曲ずつ独立して鑑賞するような内容でないのが難点だ。
  • とはいうものの、(5) から (6) への流れはさすがに素晴らしく、このコンサートのハイライトといえるだろう。
  • もっと演奏をコンパクトにまとめて、曲数を増やしてほしかったものである。(本ライヴから20年後、1998年のアルバム "Gershwin's World" に1曲だけ二人のデュオが収録されている。3分間の演奏で、実にすばらしい。)

イン・コンサート(デュオ・ライヴ)

イン・コンサート(デュオ・ライヴ)

  • こちらが、79年発表の "CoreaHancock"。チック・コリアがプロデュースし、ポリドールから発売された。
  • 全6曲入り。現代音楽風の (1) はコリア作曲。(2) はバルトーク作曲の短い現代音楽。(3) は二人の即興演奏。(4) はチックのソロ。(5) と (6) は "An Evening With..." と同一曲の別テイク。「処女航海」は6年連続レコード化されたことになる。
  • LP は2枚組だったが、のちに (5) と (6) を編集し、1枚もの CD として再発売されている。