John Coltrane / The Olatunji Concert: The Last Live Recording

オラトゥンジ・コンサート

オラトゥンジ・コンサート

  • 1967年4月23日録音。
  • John Coltrane (ts, ss), Pharoah Sanders (ts), Alice Coltrane (p), Jimmy Garrison (b), Rashied Ali (ds), Algie DeWitt (bata drum), Juma Santos (perc)
  • ニューヨークの 《オラトゥンジ・アフリカ文化センター》(the Olatunji Center of African Culture)で録音されたライヴ盤 CD。現時点では、コルトレーンの最後の録音である。(2001年発売。)
  • ステレオ(もしくは疑似ステレオ)録音だが、きわめて音質が悪く、ほとんど最初から最後まで音が割れ、歪んでいる。(音質についてのみ言うなら、キング・クリムゾンの『アースバウンド』に近い。)
  • 演奏内容は暴力的といっても良いほど激しく、本作に比べたら "Live In Japan" など大人しく聞こえてしまうレベルである。
  • (1) は司会者ビリー・テイラーによるアナウンス。
  • (2) "Ogunde" は演奏時間28分。このうち、コルトレーンは後半12分、ノンストップで吹きまくっている。かなり低い音域を用いたテナーの音はどんどん歪んでいき、まるでジミ・ヘンドリックスディストーション・ギターのようだ。
  • (3) "My Favorite Things" は演奏時間34分。冒頭7分半はベース・ソロ(途中で外を走る自動車の音が聞こえる)。続いてバンド・メンバーが登場し、コルトレーンはテーマ抜きでいきなりソプラノ・サックスのソロを吹く。吹く。吹く。命の限り吹く。途中、ファラオ・サンダースのソロをはさんで、再びコルトレーンが登場したときは、最前を上回る勢いでソプラノを吹くのである。(ここではピッコロらしき笛の音が聞こえるが、ファラオ・サンダースだろうか。)3人の打楽器奏者も末期癌に冒されたコルトレーンを前に、手加減なくタイコの音を浴びせている。そして、長いエンディングが終わったとき、僕はいつの間にか自分の頬に涙が伝っていることに気づくのだ。