キング・クリムゾン/B’ブーム・オフィシャル・ブートレッグ〜ライヴ・イン・アルゼンチン1994


  • 1995年発表の2枚組ライヴ・アルバム。"B'BOOM - Official Bootleg : Live In Argentina 1994"。
  • メンバーは、ロバート・フリップ(g, soundscapes)、エイドリアン・ブリュー(g, vo)、トレイ・ガン(stick)、トニー・レヴィン(b, stick)、パット・マステロット(ds)、ビル・ブラッフォード(ds)。
  • ブートレッグ(海賊盤)とは、ライヴの音源を勝手に CD 化して販売する違法なディスクのこと。そういう音源をアーティスト側のレーベルがそのまま発売することを称して、オフィシャル・ブートレッグ(公式海賊盤)と呼んでいた。コンパクト・ディスクの最盛期である1990年代には、こういうものが流行した(といってもマニア向けアイテムだけど)のである。ブートレッグ CD は今でも流通しているが、 YouTube 等で音楽を聴くことが自由になった昨今ではオフィシャル・ブートレッグは絶滅したのではないだろうか。
  • 本アルバムもまたブートレッグ対策の一環として、前作 "THRAK" からわずか4か月後に緊急発売されたものである。
  • 録音は1994年10月のアルゼンチン・ツアーからのもの。"THRAK" 製作の直前の時期にあたる。
  • "THRAK" 収録の主要な曲が全部入っていて、これだけで全体のおよそ半分を占める。そして、70年代のレパートリーから "Red"、"Talking Drum"、"Larks Tongues In Aspic Part II" と、80年代のレパートリーから "Elephant Talk" など6曲、スティックによる即興曲(デュオ)が1曲。
  • 発売当時は、第4期クリムゾンのライヴ盤がほとんど出ていなかった時代だから80年代の曲が珍重されたのだが、今聴くと80年代の曲は元々のアレンジが完成されすぎているため、90年代ダブル・トリオのコンセプトに合わない気がする。
  • 上の動画は、"VROOOM VROOOM"。ドラムで自由にフィル・インを入れまくっているのはビル・ブラッフォード。大半の部分でギター×2、スティック×2がそれぞれユニゾンで演奏しているのは割と珍しい。
  • 全体に荒々しさ、力強さを感じる物凄い演奏だが、収録時間が140分以上もあり、通して聴くのはかなり疲れる。


B'Boom: Official Bootleg - Live In Argentina 1994

B'Boom: Official Bootleg - Live In Argentina 1994