Miles Davis Quintet / Live in Europe 1967: The Bootleg Series Vol.1

Miles Davis Live in Europe 1967 (The Bootleg Series Vol. 1)

Miles Davis Live in Europe 1967 (The Bootleg Series Vol. 1)

 1967年10〜11月に行われた 'Newport Jazz Festival In Europe' ツアーに、マイルス・デイヴィスクインテットが同行した際の演奏を収録した CD 3枚、DVD 1枚のセット盤。従来ブートレッグとして出回っていたものをソニーが買収し、2011年に「公式ブートレッグ」として発売したアルバムである。
 モノラル録音だが音質は A ランク。元々放送用に録音(撮影)された音源を使用し、十分鑑賞に堪えるレベルである。(アントワープの分のブートレッグを持っているが音質は最悪だった。)
 CD 3枚、全24曲、3時間18分という内容だが、3日間のプログラムにしては短いので、コンサート全曲収録というわけではなく、放送に使用する分だけが収録されたと思われる。
 曲目については、3日間とも共通(重複)するものが5曲含まれているが、そのうちアタマの4曲はメドレー形式でつながって演奏されている。(この頃からマイルスのライヴはメドレーが多くなる。)
 さて、演奏内容だが、メンバー全員ノリが良く、非常に中身の濃い演奏といえる。途中で急にリズムやテンポが変わったり、自在に展開していくのだが、決して崩れることがない。この点、1965年のプラグド・ニッケル・ライヴとは大きな違いだと思う。マイルスは絶好調、ショーターもハンコックも凄いソロを繰り広げている。
 DVD のほうは前半がドイツ、後半がスウェーデンでのライヴ映像(白黒)で、各5曲収録。両方ともテレビ番組用に編集された作品のようだ。なお、ドイツのほうはこのメンバーによる最後のライヴとなったものである。

Vol. 1-Miles Davis Quintet-Live in Europe 1967-the

Vol. 1-Miles Davis Quintet-Live in Europe 1967-the

 こちらは3日間のライヴから10曲選んだダイジェスト版の1枚もの。(カヴァーの文字が赤いのが目印。)
 最後に "The Theme" という曲(エンディング・テーマ)が2曲続けて収録されているが、一方は1分少々、他方は8分台で当然内容も全く異なる。にしても、曲順はなんとかならなかったのだろうか。