キング・クリムゾン/ディシプリン


  • 1981年発表。"Discipline"。
  • メンバーは、ロバート・フリップ(g)、エイドリアン・ブリュー(g, vo)、トニー・レヴィン(b, stick, vo)、ビル・ブラッフォード(ds)。
  • ロバート・フリップは7年ぶりに新メンバーを集めて、キング・クリムゾン(第4期)を始動した。当初、この新バンドは「ディシプリン」と名付けられ、その名前で数回ライヴを行ったらしい。しかし、キング・クリムゾンという 《聖なる名》 を用いたことにより、賛否両論。そればかりか、フリップにとって、またクリムゾン・ファンにとって、その後の数十年間を左右する大きな事件へと発展して行くのである。……と、難しそうなことを書いたが、ようするに「クリムゾン」の名を冠すれば売れ、他の名前では売れなくなってしまったのだ。
  • "Discipline" のときのメンバーで、バンドは3枚のスタジオ録音盤を発表している。その第1作である本アルバムは、ツイン・ギター、トニー・レヴィンのスティック*1、をメインにした全く新しいサウンドで、シーンに登場したのである。
  • 上の動画は "Elephant Talk" のライヴ・ヴァージョン。二人のアメリカ人、エイドリアン・ブリュー*2トニー・レヴィンの活躍ぶりがよくわかる映像である。また、ロバート・フリップのギターは70年代と違い、無駄に大きなストロークがなくなって、動きが滑らかになっている。
  • はっきり言って発表当時、80年代は非常に評判が悪く、ほとんど無視されていた作品だったのだ。この時期のクリムゾンが正当な評価を受けるまで、10年以上かかったのではないかと思う。


Discipline: 30th Anniversary Edition

Discipline: 30th Anniversary Edition

*1:12弦の低音楽器で、主にタッピングで演奏する。音域が非常に広いのが特徴。

*2:エイドリアン・ブリューのヴォーカルは、彼が当時参加していたトーキング・ヘッズデヴィッド・バーンの影響を強く受けている。