キング・クリムゾン/ザ・コンストラクション・オブ・ライト


  • 2000年発表。"The ConstruKction Of Light"。
  • メンバーは、エイドリアン・ブリュー(g, vo)、ロバート・フリップ(g)、トレイ・ガン(bass touch guitar, baritone guitar)、パット・マステロット(ds)。
  • 第5期クリムゾン 《ダブル・トリオ》 は1997年に活動停止。その後、6人のメンバー中、3〜4人のユニット編成による ProjeKct 名義でのライヴ、レコーディングを継続する。結局、古参のトニー・レヴィンビル・ブラッフォードが抜け、90年代に加入したトレイ・ガンとパット・マステロット(二人ともベテランなのだけど)が残って、2000年に第6期クリムゾンはスタートした。
  • 90年代後半はロバート・フリップが、60〜80年代のクリムゾンの未発表ライヴ音源を大量に CD 化・発売していた時期である。これらのライヴ・アルバムは旧来のファンを喜ばせたものの、新メンバーによるクリムゾンの新作=本アルバムは目立たない結果となってしまった。
  • しかしながら、4人編成の第6期クリムゾンは技術的に大きく進歩し、楽曲もよく出来ていて、2003年まで非常に充実した作品を発表し続けるのである。
  • メンバー全員が80〜90年代からの残留組なのだが、大きく変化した点が二つある。一つは、エイドリアン・ブリューの歌声がダーティなシャウトに変わったこと。そしてもう一つは、ProjeKct 時代から始まったローランド Vドラムの導入である。パット・マステロットの Vドラムのヘヴィーな音が、バンドの音を方向付けるようになったのだ。(Vドラムの音が嫌いな人はまったくダメかもしれない。)
  • 上の動画は、"The ConstruKction of Light"。ガンとマステロットが大活躍する曲だ。トレイ・ガンは一体どうしたらこんな変な曲が弾けるんだろう? パット・マステロットは Vドラムと通常のアコースティック・ドラムを合わせたようなセッティングである。(ハイハットが二つある。)
  • 本アルバムは、最後に1分間の静寂の後、ProjeKct X 名義による曲 "Heaven And Earth" が収録されている。即興演奏を編集した作品で、プロデュースはパット・マステロットと Bill Munyon による。クリムゾンと同一メンバーらしいのだが、かなり雰囲気が異なり、アルバムとしては蛇足だと思う。


Construcktion of Light

Construcktion of Light