Thelonious Monk / Solo Monk

Solo Monk

Solo Monk

  • (2), (3), (4), (8), (10), (16) …… 1964年10月31日録音。
  • (1), (6), (7), (9), (12), (15), (18), (19) …… 1964年11月2日録音。
  • (11), (21), (20) …… 1965年2月23日録音。
  • (13), (14), (5), (17) …… 1965年3月2日録音。
  • Thelonious Monk (p)

 モンクのピアノ・ソロ・アルバム第4作。後期モンクの最高傑作であり、60年代モダン・ジャズを代表する名盤である。
 オリジナル LP は全12曲入り。CD はヴァージョンによって異動があるが、ボーナス・トラックが9曲も入っていて、そのうち2曲はオリジナル盤未収録曲、7曲は別テイクとなっている。
 レコーディングは64年10月から65年3月まで、4回に分けて行われた。長期にわたる製作期間にもかかわらず、アルバム全体のコンセプト、雰囲気、音質などが一貫しているのが、本作に特徴である。これはオリジナル盤のプロデューサー、テオ・マセロの功績だと思うのだが、一方、2003年リマスター盤のプロデューサー、オリン・キープニューズは、音質を格段に向上させつつ、オリジナルのもつコンセプトと雰囲気をしっかり残していて、好感がもてる。
 2〜4分程度の短い曲が並んでいるのだが、全体に明るく、軽快で、飛び跳ねるように元気な演奏が基調となっている。選曲も、過去に取り上げたことのないスタンダード曲、オリジナルの新曲が大半を占めていて、モンクの意気込みを感じる。
 以下は、ETV の番組『2355』の挿入曲として使用されている "I'm Confessin'"。

 右手でメロディ、左手でベース音とコードを交互に弾く演奏法を「ストライド奏法」と呼ぶ。20世紀初頭に始まる古典的なジャズの演奏法であり、モンクの時代には決して主流だったわけではないが、始まりから100年、モンクから50年を経た現在、まったく古さを感じさせない音楽になっていると思う。