Thelonious Monk / Live At The Jazz Workshop - Complete

Live at the Jazz Workshop: Complete

Live at the Jazz Workshop: Complete

  • 1964年11月3〜4日録音。
  • Thelonious Monk (p), Charlie Rouse (ts), Larry Gales (b), Ben Riley (ds)

 サン・フランシスコのジャズ・クラブ Jazz Workshop におけるライヴ録音。モンクの死後、1982年に2枚組 LP として発売された。*1
 オリジナル LP は2枚組、12曲入り。2001年リマスター盤 CD は全26曲入りで、収録時間も約2倍の2時間28分である。ステレオ録音で、当時のライヴ録音としては音質良好だと思うが、CD は高音がこもり気味。でも、イコライザーで高音域を上げてやれば十分イケる。(高音を上げると、アコースティック・ベースの音がよく聞こえるのだ。)
 本アルバムで一番活躍しているのはラリー・ゲイルズのベースである。4ビートは安定しているし、アタックも強い。2拍3連のオブリガートも巧みだ。ベース・ソロも、モンク・カルテットの歴代ベーシストの中で、抜群といってよいだろう。ベースがこれくらい安定感があると、他のプレイヤーは存分に暴れることができるのである。
 で、一番暴れているのが、ドラムのベン・ライリーだ。やや不安定な感じのドラムだが、よく聞いていると、オーネット・コールマンのグループのドラマー、チャールズ・モフェットみたいなドラミングである。ライリーはフリー・ジャズ系なのかもしれない。(と思って調べてみたら、アリス・コルトレーンとの共演作が1枚あった。)
 モンク・カルテットは64年10月下旬から11月上旬にかけて、西海岸で演奏していたらしい。60年代を通じて最高傑作の1枚と呼びたい "Solo Monk" も、このツアーの最中にレコーディングしている。ピアニスト、モンクの活動のピークだったのだろう。実に楽しそうなライヴである。

*1:もう1セットの2枚組ライヴ盤、"Live At The It Club" も同時期の録音である。