Thelonious Monk / It's Monk's Time

It's Monk's Time

It's Monk's Time

  • (5), (8) …… 1964年1月29日録音。
  • (3), (7) …… 1964年1月30日録音。
  • (1), (4) …… 1964年2月10日録音。
  • (2), (6), (9) …… 1964年3月9日録音。
  • Thelonious Monk (p), Charlie Rouse (ts), Butch Warren (b), Ben Riley (ds)

 前作のライヴ盤 "Big Band And Quartet" の1ヶ月後にレコーディングを開始したスタジオ録音盤。ドラムには新メンバー、ベン・ライリーが参加している。モンクが雑誌 'TIME' の表紙を飾ったのを記念して、このアルバム・タイトルになったらしい。
 オリジナル LP は全6曲入り。CD は別テイク2曲と "Epistrophy" が追加されている。曲はスタンダード・ナンバーとモンクのオリジナルが半々。(2), (5), (8) はピアノ・ソロである。 久しぶりにオリジナルの新曲が3曲も収録されているのだけれど、どれも似たような「速めのミディアム・テンポ」で、アルバム収録の新曲としては、いまひとつだと思う。
 スタンダード曲の (1) "Lulu's Back In Town" は10分近い長さの曲だが、冒頭の3分と最後の2分は無伴奏ピアノ・ソロで、中間部がカルテットという変わった展開になっている。この曲のモンクの演奏は 《ストライド・ピアノ》 と呼ばれる奏法で、この時期以降のモンクはこのスタイルを本格的に取り入れていくのだが、かなりのヘタウマにも関わらず、リズム感が異様にかっこいい。
 ライリーのドラムは2拍目と4拍目にクローズ・ハイハットを使わないのが特徴だ。彼が参加したコロンビア盤は5枚あって、全部スタジオ録音なのだけれど、ライヴ(ブートレッグ)ではこの奏法が裏目に出て、次第にバンド全体のリズムが不安定になっていくのである。