Miles Davis / A Tribute To Jack Johnson
- アーティスト: MILES DAVIS
- 出版社/メーカー: COLUM
- 発売日: 2005/02/28
- メディア: CD
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- Miles Davis (tp), Steve Grossman (ss), Herbie Hancock (org), John McLaughlin (g), Michael Henderson (el-b), Billy Cobham (ds) (1970年4月7日録音。)
- Miles Davis (tp), Bennie Maupin (b-cl), Chick Corea (el-p), Sonny Sherrock, John Mclaughlin (g), Dave Holland (el-b), Jack DeJohnette (ds) (1970年2月18日録音。)
1969〜70年頃のマイルスは、様々なミュージシャンを集めて何度もスタジオ入りし、多くの録音を残した。それらの大部分は実験作、習作というべきセッションだったが、いくつかの音源はプロデューサー、テオ・マセロによって編集され、レコードとして世に出された。
本アルバムは、世界初の黒人ヘビー級世界チャンピオン、ジャック・ジョンソンの伝記映画のサウンド・トラック盤として発表されたが、映画のために録音されたわけではなく、70年2月と4月のセッションの音源が編集されて、二つの楽曲にまとめられたものである。*1
全2曲入り。LP レコードには A、B 面各1曲ずつ収録された。どちらの曲も複数の音源を編集によってつなぎあわせた内容になっているが、(2) の後半10分くらいは70年2月の録音、それ以外のほとんどは同年4月の録音で、上記のようにメンバーが異なっている。
この時期のマイルスの音楽は、エレピのゴロゴロした音がトレードマークになっていたのだけれど、本作ではキーボードは脇役扱いで、その代わりにジョン・マクラフリンのギターが大活躍、ロック色の強いサウンドになっている。
ビリー・コブハムは手数の多いドラマーだが、本セッションにおける演奏はきわめてシンプル。それから、本セッションが初登場となる当時19歳のベーシスト、マイケル・ヘンダーソンが粘りのあるリフを弾いている。
(2) の後半部分は、ずっと後の1981年になって、テンポの速い別ヴァージョンが "Willie Nelson" というタイトルで発表されている。(アルバム "Directions" 収録。)本作のヴァージョンはファンクの出来損ないみたいな感じで、そんなに良くはないのだが、チック・コリアのエレピにリング・モジュレーターというエフェクターが用いられて、ギュイーーン!とクレイジーな音を出している。
2003年リミックス盤は高音域を強調したドンシャリな音で、ガッツリ楽しめる。旧版に比べて2曲とも収録時間が10秒以上短くなっているのだが、詳細不明。
*1:このアルバムにはジャケットが2種類ある。黄色の車が描かれているジャケットのヴァージョン(asin:B00004VUJS)は、アルバムのタイトルも "Original Soundtrack Recording Jack Johnson" と記載されている。