Miles Davis / San Francisco 1970

San Francisco 1970 (Live)

San Francisco 1970 (Live)

 1970年10月15日、フィルモア・ウェスト(サンフランシスコ)におけるライヴ録音を収録したブートレッグ。
 全6曲入り。ラジオ放送用音源らしいのだが、(2) の途中にライヴ録音とは無関係な音声(女性の歌声とナレーション)が時々入っている。それを除けば、音質は A ランク。ヒスノイズはあるものの、ブートレッグとしては優良な出来だと思う。
 70年8月のワイト島フェスティヴァル以後、チック・コリアデイヴ・ホランドが脱退。キーボードはキース・ジャレットひとりになり、ベースにマイケル・ヘンダーソンが加入。また、パーカッション奏者、ユマ・サントスが加わった7人編成となっている。
 演奏スタイル、サウンドともに、同年12月の 《セラードア・セッション》(アルバム "Live Evil" 収録)に近い感じになっていて、チック・コリア在籍時代とはかなり違った雰囲気だ。ヘンダーソンのリフを中心にしたファンクのリズムとキースのキーボード(エレピとオルガンを同時に弾いている)が自在に音を作りだし、その上にマイルスほかメンバーが音を重ねていくのである。エフェクターによる歪んだ音、難解な音は姿を消し、非常にわかりやすい演奏になっているのが特徴といえよう。