谷崎潤一郎 『The Affair of Two Watches』
明治43(1910)年に発表された谷崎最初期の短編。珍しくナンセンス・ユーモア小説である。「時計事件」 という意味の英語の題名がつけられているが、題名が英語であることにはちゃんと意味がある。
内容はほとんどわけのわからない滑稽噺だが、全体が19世紀イギリスの作家、ジェローム・K・ジェロームの名作 『ボートの三人男』 へのオマージュになっているのだ。こういうネタを見つけるとうれしくなる。小説を読む楽しみの一つである。
- 作者: 谷崎潤一郎,千葉俊二
- 出版社/メーカー: 中央公論社
- 発売日: 1998/07/18
- メディア: 文庫
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