2010-08-29から1日間の記事一覧

ウルフ 『オーランドー』

という次第で、今や部屋に残るは眠れるオーランドーと喇叭(ラッパ)手と伝記作家及び読者のみ。そして喇叭手たちはきちんと整列してひと吹き凄まじく 「〈真実〉だ!」と吹き鳴らした、 と、オーランドーは目覚めた。彼は伸びをした。立ち上った。われわれ…

森鷗外 『山椒大夫・高瀬舟』

短編集(新潮文庫)の感想まとめ。 『杯』 「わたくしの杯は大きくはございません。それでもわたくしはわたくしの杯で戴きます」 七人の娘が持つ銀の杯には 「自然」 の銘がある。彼女たちはその杯で泉の水を飲もうとするが、八人目の娘が持つ杯を見て嘲る。…